2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 純一郎 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (70176428)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 発生制御 / 発生・分化 / ウィルス発癌 |
Research Abstract |
IL-1刺激によって誘導されるNF-kB活性化にMEKK3とTAKIが重要であることが報告されていたが、それらがどのような分子機構で機能的に相互作用してNF-kB活性化に関与するのか不明であった。今回、我々はTRAF6-MEKK3-TAK1で構成されるタンパク質複合体の一過性形成がTAK1のよるNF-kB活性化に必要であることを明らかにした。さらにTRAF6とUbcl3で触媒されると考えられるTAK1のLys-209におけるLys63型ユビキチン鎖形成がTRAF6-MEKK3-TAK1複合体形成に必須であることも明らかにした。また、このTAK1によるNF-kB活性化に続いてTRAF6は、TAK1とユビキチン化非依存的にMEKK3を介してNF-kBを活性化することが明らかになった。このTAK1依存的NP-kB活性化とそれに続くTAK1非依存的NF-kB活性化により継続的なNF-kB活性化が成立し、IL-6の十分な産生が誘導.されると考えられた。これらの結果を基にTRAF6で分岐する二つのメカニズムと時間経過的に異なるMEKK3依存的なNF-kB活性化が協調的に働いて免疫炎症システムに必須な役割を果たすというモデルを提唱した。 一方、Basal型乳癌は、乳癌の中でも最も予後が悪く治療が難しい。我々は、このBasal型乳癌において高頻度にNF-kBが恒常的に活性化されていることを見出した。また、IkBa Super Repressorにより恒常的NF-kBの活性化を抑制したところ細胞増殖が著しく抑制された。さらにこのNF-kB活性化はNF-kB inducing kinase (NIK)の発現抑制により部分的に抑制された。即ち、NIK→NF-kBの恒常的活性化→細部増殖という経路が想定され、NIKが癌治療の標的となりうることを示した
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Research Products
(12 results)