2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化プロテオーム解析による腫瘍特異的転写制御機構の解明
Project/Area Number |
17014022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 成介 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (50143508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小迫 英尊 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (10291171)
小林 道元 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (00345034)
飯田 直幸 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (10376618)
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Keywords | プロテオミクス / 二次元ゲル電気泳動 / リン酸化タンパク質 / ERK / p38MAPキナーゼ / チロシンリン酸 |
Research Abstract |
リン酸化タンパク質中のリン酸化部位を網羅的に同定するため、ペプチド混合物試料よりリン酸化ペプチドを分離する条件を検討し、Phos-tagカラムを用いることにより従来のIMAC法よりも非特異的吸着の少ない精製系を作成した。この系を利用してHeLa細胞中のリン酸化部位を網羅的に解析し、Hsp27、CDC2キナーゼ、p120RasGAP等約100のリン酸化部位を決定した。このうち約1/3は既報のものであった。 ERK基質は30の基質候補を同定し、組替えタンパク質の試験管内におけるリン酸化を確認した。さらに、細胞内でERK活性化にともなってリン酸化されることを確認した。核移行に関与するNup50(nuclear pore complex 50)はERKリン酸化によりimportinβとの相互作用が減弱することを見いだした。 p38MAPキナーゼについても同様に基質検索をすすめ、あらたにp50RhoGAPを基質として同定し、試験管内および細胞内においてp38MAPキナーゼによりリン酸化することを認め、さらにそのリン酸化部位を決定した。 効率よくキナーゼ基質を同定するため、リン酸化タンパク質を脱リン酸化し、さらに精製キナーゼにより試験管内でリン酸化し、基質同定を行なう実験系を作成した。ERK、p38MAPキナーゼを用いてともに既知の基質がリン酸化されることを見いだした。 アミノ酸同位体標識法により定量的に解析する実験系を用いて、野生型Srcおよび細胞膜移行シグナルを欠く変異体Srcのチロシンリン酸化基質の比較を行い、細胞膜に存在する因子のチロシンリン酸化がSrcによる細胞トランスフォーメーション活性に必要なことを見いだした。定量的チロシンリン酸化プロテオーム解析の結果は、チロシン抗体を用いたウェスタンブロットの結果とよく一致していた。
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Research Products
(1 results)