2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
開 祐司 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40144498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宿南 知佐 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (60303905)
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Keywords | 組織・細胞 / 生体分子 / 発生・分化 / chondromodulin-I / tenomodulin / VEGF / 血管進入抵抗性 / 結合組織 |
Research Abstract |
関節軟骨全層欠損における組織再生において、間葉系未分化細胞の軟骨分化誘導の過程で血管侵入抵抗性が獲得される。ChM-Iの発現はこの血管侵入抵抗性が成熟する過程で上昇する事が示された。さらに硬組織に加えて、軟組織におけるChM-Iのminor発現部位を検索することを端緒に、これまで知られていなかった部位での組織改変においても、ChM-Iが作り出す血管侵入抵抗性のダイナミックな変化を伴う場面があることが分かってきた。まず、マウス胎生期の心臓形成において心房領域を中心に認められたChM-Iの発現は、徐々に心臓弁に限局し、終生持続した。ヒトでも弁での発現が観察された。しかし、Atherosclerosisなどの弁では、ChM-Iの発現が消失すると共にVEGFが発現する事が観察され、血管侵入も認められた。一方、ChM-I KOマウスはAgingと共に、高頻度で弁組織でのVEGF発現が観察され、Atherosclerosisを発症する事が判明した。さらに、妊娠マウスの母体-胎仔境界である脱落膜において着床胚を取囲むように一過性の特徴的なChM-Iの発現が見られた。母体-胎仔境界の形成では、着床後、胚由来栄養膜細胞が栄養膜巨細胞(TGC)へと分化し、急速に子宮内膜に浸潤して母体血管網と連結することにより胎盤を形成する。脱落膜はTGCの浸潤に対する透過障壁として知られ、細胞浸潤に伴うECMリモデリングが時間的・空間的に厳密に規定されながら進行する。TGCはChM-Iを発現する一次脱落膜を越えて浸潤することはない。本年度は、胎仔由来の栄養膜細胞や母体由来の血管網のin vivoにおける浸潤を可視化することに成功した。さらに培養系においてTGCの組織浸潤アッセイ系を構築し、これを用いてChM-Iが組織浸潤抑制活性を示す事を明らかにした。
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Research Products
(4 results)