2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
開 祐司 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (40144498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宿南 知佐 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (60303905)
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Keywords | chondromodulin-I / VEGF / 血管侵入抵抗性 / 生体分子 / 結合組織 |
Research Abstract |
軟骨由来血管新生抑制因子Chondromodulin-I (ChM-I)は、糖鎖修飾を受けるN-末端側のドメイン1と4個のジスルフィド架橋をもつドメイン2の二つの領域から構成されている。本年度は、まずE. coliにヒトChM-I cDNAを発現させて糖鎖修飾のない組換えヒトChM-Iを調製し、生物活性を検討した。その結果、ドメイン2のジスルフィド架橋が正しく形成されていれば軟骨細胞や血管内皮細胞に対して生物活性を示す。しかし、ドメイン1の糖鎖修飾が分子全体の構造安定化に極めて重要で、糖鎖修飾の無いものは著しく比活性が低いことが判明した。さらに、ドメイン2のジスルフィド架橋はChM-I分子の生物活性には必須の機能を果たしていることが明らかとなった。そこで、293細胞にcDNAを発現させて糖鎖修飾のある組換えChM-Iを調製し、天然型と同等の生物活性を持つことを確認した。そこで、ミュータジェネシスによりジスルフィド架橋を中心に構造活性相関を検討した。その結果、活性発現に1) Cys83-Cys99にかかるジスルフィド結合が不可欠であり、さらに2) W111-V120の疎水領域が補助的な役割を担っていることが示唆された。そこで、これらの配列を含む部分構造ペプチドを化学合成し、in vitro培養系への生物活性を有することを明らかにした。さらに、移植ヒト軟骨肉腫モデルを使って、この合成ペプチドが腫瘍血管新生抑制活性を示すことが判明した。一方、VEGF-Aをニワトリ肢芽に強制発現させることで骨原基の血管侵入抵抗性を詳細に検討した。その結果、新生血管網が軟骨性骨原基周囲の血管侵入バリアーを乗り越えたあと、新生血管が実際に軟骨組織に侵入するためには、VEGF-Aのみでは不十分でTGF-bシグナルの活性化が不可欠であることを明らかにすることに成功した。
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Research Products
(5 results)