2005 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞を用いた霊長類ヘマンジオブラストの同定とその増殖・分化機構の解明
Project/Area Number |
17014052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中畑 龍俊 京都大学, 医学研究科, 教授 (20110744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 壮一 京都大学, 医学研究科, 講師 (10273450)
梅田 雄嗣 京都大学, 医学研究科, 助手 (80397538)
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Keywords | ES細胞 / ヘマンギオブラスト / 霊長類 / ヒト / 造血幹細胞 / 血管内皮細胞 / がん進展 / 分化 |
Research Abstract |
腫瘍や白血病の進展に血管新生が大きく関わっている。マウスでは血管と血液細胞は同じ母細胞(ヘマンギオブラスト)から生まれてくるとする報告が相次いでいるが、霊長類ではヘマンギオブラストの存在は証明されていない。本研究では、サルES細胞を用いてその分化過程を詳細に検討することにより、ヘマンギオブラストの同定、血液細胞と血管内皮細胞への分化機構やその分子基盤を明らかにする事を目的としている。本研究の成果は血管内皮や造血幹細胞の発生や正常の増殖分化過程を明らかにするとともに、癌や白血病の進展と血管噺生の関係を明らかにする上で多くの情報を提供することであろう。本年度以下の成果が得られた。 (1)マウスES細胞から中胚葉細胞に分化させた後、FLK1+細胞を純化し培養すると血液、血管内皮、心筋が出現することから3者に共通の母細胞の存在が示唆された。現在、この過程で、マウスの造血機能を長期にわたって維持する造血幹細胞の形成の有無について、移植により検討を行っている。 (2)サルES細胞から胎児型の血液細胞と成体型の血液細胞の両者および血管内皮細胞を誘導することが可能となった。サルでもマウスと同様、血液と血管内皮の共通の母細胞であるヘマンギオブラストの存在が明らかとなった。 (3)ヒトES細胞を用いた研究を開始した。各種血液細胞、血管内皮細胞のシートを産生する事に成功した。ヒトヘマンギオブラストの同定、その増殖、分化機構について検討を始めた。 (4)ヒト体性幹細胞測定のためのNOD/SCID/γc-/-(NOG)マウスを開発した。このマウスにヒト造血幹細胞を移植するとマウス体内でTリンパ球を含むすべてのヒト型血球が長期にわたり産生されることが明らかとなった。この系を用いてヒトヘマンギオブラストのin vivoで分化機構について解析予定である。
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Research Products
(27 results)