2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 昌之 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (50064613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 晴子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70379246)
張 明浩 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (70420453)
平田 多佳子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授 (00346199)
梅本 英司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90452440)
田中 稔之 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (30217054)
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Keywords | 癌 / 転移 / 糖鎖 / 細胞外基質 / 免疫学 / 接着分子 / ケモカイン |
Research Abstract |
癌組織の血管内皮細胞に選択的に発現がダウンレギュレートされる分子としてマウスのnepmucinを同定した。この分子はわれわれが細静脈に発現する新規シアロムチンとして既に同定したもので(Umemoto,E., et. al.J.Exp.Med.203:1603,2006)、リンパ球のローリング、接着を媒介する接着分子としての機能をもつ。興味深いことに本分子は腫瘍組織の増大に伴い、腫瘍組織および所属リンペ節の血管内皮細胞での発現が著明に減少する。本分子は子宮、精巣、脳などのいわゆる免疫学的特権部位で発現が消失している。また、最近の解析から、本分子が免疫細胞の内皮細胞間隙通り抜け(transmigration)にも関与することが明らかになってきたことから、本分子の消失と癌組織への免疫細胞流入に対する抵抗性との関連が疑われ、現在、その機能的意義について解析中である。また、ヒトのnepmucinに対する抗体を作成中で、ヒト臨床的検体での解析を予定している。これとは別に、癌細胞動態を制御する間質因子の探索作業の一環として、cancer stem cell(CSC)の性質をもつといわれるSP細胞集団(side population)を大腸癌、悪性中皮腫、肝癌由来癌細胞株から単離し、その運動性とCSCとしての機能維持に必要な分子の探索を開始している。さらに、癌転移におけるケモカインの共同作用の重要性を明らかにするために、CCR7とCXCR4を同時に発現する癌細胞株を作成し、解析を行っている。予備的解析ではCXCR4を介したシゲナルがCCR7の下流シゲナルを増強することが明らかになった。
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Research Products
(19 results)