2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 昌之 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (50064613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 晴子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70379246)
梅本 英司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90452440)
張 明浩 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (70420453)
平田 多佳子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授 (00346199)
白 忠彬 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員 (10512840)
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Keywords | 癌 / 転移 / 糖鎖 / 細胞外基質 / 免疫学 / 接着分子 / ケモカイン |
Research Abstract |
1)がん組織の血管内皮細胞に選択的に発現が低下・消失する分子としてlgドメインとmucinドメインを細胞外領域にもつ膜貫通型蛋白質nepmucinを同定した。本分子のリガンドを探索したところ、アポトーシス細胞表面に発現するホスファチジルセリンがその一つであることがわかった。興味深いことにnepmucinを細胞表面に強制発現させるとlgドメイン依存的にアポトーシス細胞の取り込みを媒介した。Nepmucinノックアウトマウスでは加齢とともに自己抗体の産生が見られることから、本分子は免疫調節機能をもつことが示唆される。2)がん間質のがん細胞に対する影響を解析するためにがん幹細胞(CSC)と思われる細胞を単離して解析を進めているが、これまでの報告とは異なり、CD133は必ずしもCSCマーカーではないことを示唆する結果が得られている。ある種のがん細胞株から得たCSCフェノタイプをもつ細胞は非常に運動性が高く、CSCの運動性を亢進させるケモカインとそのレセプターを探索中である。予備的検討では、ある種のがん細胞ではCXCL12とCCR7リガンドが共同的に働いてその運動能が亢進する。現在、このようなケモカイン同士の相乗作用ががん細胞のリンパ行性転移を促進する原因となるかについて解析中である。3)CSCはCD44高発現をする。東大薬学研究科の嶋田らと共同で、CD44にはHA低親和性のordered conformationとHA高親和性のdisordered conformationの平衡状態にあり、Y161A変異体はdisordered conformationのみを保持するとともにタンパク分解酵素により細胞外部分が切断されやすいことがわかっている。CD44切断は運動性、浸潤性の亢進につながることから、CSCが発現するCD44のconformationの検討を行っている。
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Research Products
(30 results)