2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 俊之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80142313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 理行 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (60294112)
平賀 徹 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (70322170)
若林 弘樹 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50362687)
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Keywords | 癌 / 骨転移 / 疼痛 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
1.癌骨転移に伴う疼痛モデルの確立 ヒト乳癌細胞株をマウスに移埴し、骨転移部における疼痛を経時的に測定できるアッセイシステムを確立した。 2.骨転移に起因する疼痛における破骨細胞の関与 骨転移巣を有する担癌マウスに、破骨細胞性骨吸収抑制剤であるビスフォスフォネートを投与すると、疼痛の発生が有意に抑制された。従って、骨転移部における疼痛は、破骨細胞による骨吸収に起因すると示唆された。 3.プロトン産生による骨痛の誘発機序 骨吸収時に産生されるプロトンイオンが、骨痛の誘発に関与している可能性を明らかにするために、プロトンイオン産生阻害剤を投与したところ、骨痛の発生が著明に抑制された。さらに、プロトンイオン受容体遺伝子を欠損するノックアウトマウスでは、疼痛の域値が、有意に上昇していた。これらの実験結果より、骨吸収時に産生されるプロトンイオンが、骨痛の発生に深く関与していると考えられた。 4.前立腺癌による造骨性骨転移動物モデルの樹立 臨床的に、前立腺癌が造骨性に骨転移を形成することがよく知られているが、その動物実験モデルの樹立が大きな課題であった。ヒト前立腺癌に、種々の転写因子を遺伝子導入した結果、造骨性に骨転移巣を形成する細胞株の樹立に成功した。この細胞株を用いて、マイクロアレイを行い、骨形成に関与する遺伝子の候補のリストアップを行った。この実験結果を基盤に、関与する遺伝子の同定を現在、進めている。
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Research Products
(4 results)