2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 俊之 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (80142313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 理行 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (60294112)
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Keywords | 癌 / 骨転移 / 疼痛 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
1.癌骨転移に伴う疼痛モデルの確立とアッセイシステムの拡充 癌骨転移に伴う疼痛の発症メカニズムを解明するためには、動物モデルの確立が不可欠である。前年度に確立した疼痛モデルをさらに改良を加え、より詳細に疼痛を評価できるシステムを確立した。またプランターアッセイなどを活用することにより、再現性の高いアッセイシステムを構築した。 2.PTHrPによる疼痛の発症 悪性腫瘍が産生するPTHrPは、骨芽細胞におけるRANKLの発現を誘導し、骨吸収を促進させる。そこでPTHrPが、骨融解に伴う骨痛に関与しているか否かを検討した結果、PTHrPが、骨痛を誘発すること、またPTHrP抗体が、疼痛域値を上昇させることが見出された。したがってPTHrPが、悪性腫瘍の骨転移に伴う、骨疼痛の発症に深く関与していることが明らかとなった。 3.ビスホスホネートによる骨壊死のメカニズムの解明 近年、悪性腫瘍の骨転移を有する患者に骨吸収阻害剤ビスホスホネートを投与すると、重篤な顎骨壊死を来たすことがたびたび報告されており、臨床的に大きな問題点となっている。この点を解明するために、ビスホスホネートをマウスに投与し、抜歯を行った後に、その治癒機構を検索した。その結果、ビスホスホネートを投与されたマウス群では、血管新生が著しく阻害され、抜歯窩の治癒が遅延していることが見出された。さらにビスホスホネートが細菌の増殖を促進する傾向を確認した。すなわち、ビスホスホネートは、血管新生を阻害し、口腔内の細菌叢を変動させることにより、顎骨壊死を誘発していると示唆された。
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Research Products
(6 results)