2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014083
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
佐邊 壽孝 Osaka Bioscience Institute, 分子生物学部門, 研究部長 (40187282)
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Keywords | 乳癌 / 浸潤 / Arf6 / インテグリン / カドへリン |
Research Abstract |
E-cadherinを介する細胞間接着形成が失われる事は、多くの上皮性癌細胞が基質に対して浸潤性を獲得し悪性度を増す事と密接に関連している。上皮細胞においてE-cadherin接着形成とその維持には、低分子性G蛋白質であるArf6の活性が抑制されている事が重要であることが示唆されている。 EphA2異常発現が様々な癌の悪性度と良く相関する事が知られているが、EphA2はNckを介してGitlをレクルートし Arf6活性を抑制する事、そのことがMDCK細胞等幾つかの正常上皮細胞におけるE-cadherinを介する細胞間結合の形成と維持に必須であることを詳細な分子機構と共に明らかにした。一方、多くの乳癌の浸潤転移過程において、Arf6の異常発現とそのGEP1OOによる活性化が根幹的な役割を果たす事、このシグナル経路はEGFRによって活性化されることを明らかにした。このシグナル経路はE-cadherinを介する細胞間接着を破壊した。現在、その詳細な分子機構の解析を行っている。また、同経路はintegrinβ1のリサイクリング活性を制御し、浸潤に関与することも明らかにした。それに関わるシグナル蛋白質結合インターフェースの一つは従来に知られていない様式のものであった。現在、そのX線構造解析を進めている。
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