2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014083
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
佐邊 壽孝 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (40187282)
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Keywords | 乳癌 / 浸潤転移 / GBP100 / Arf6 / AMAP1 / インテグリンβ1 / PRKD2 |
Research Abstract |
E-cadherin接着の阻害とある種のintegrinの活性化は、乳癌を始め、殆どの上皮由来癌細胞の浸潤転移に必須のプロセスである。私達は悪性度の進行した乳癌の浸潤転移に特異的なシグナル経路を見出して来た。本年度の当初目的に、その経路因子であるGEP100によるE-cadherin接着の阻害をあげていた。しかし、入手できた乳癌細胞株はすでに悪性度が十分進行しており、E-cadherinの発現そのものが阻害されており、この点の解析は困難であった。(正常細胞におけるE-cadherin接着の阻害機構は、基盤研究で行っている。)そこで、乳癌の浸潤転移におけるintegrinの活性化について研究を進め、GEP100により活性化されるArf6活性によってintegrin β1のrecyclingが制御されること、その際、Arf6のeffectorであるAMAP1がPRKD2との結合を介し、integrin β1と複合体を形成することを明らかにした。この経路はEGFRによって活性化されることも明らかにした。これらの結果は論文に纏め投稿している。また、AMAP1とPRKD2との結合様式の詳細を調べた所、AMAP1の特定のリジン残基とPRKD2のキナーゼ領域とが結合するという、今迄には知られていないものであった。現在、その結合インターフェースの分子標的としての評価をするため、結晶構造解析の準備を進めている。当初目的の最後である低酸素状態でのArf6活性制御に関しては、あまり進める事が出来なかったが、それに関わる可能性のあるmiRNAの探索を最近やっと開始した。
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Research Products
(14 results)