2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀井 明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40249983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂村 真琴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10201584)
八重樫 伸生 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
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Keywords | 膵癌 / DUSP6 / AURKA / RNAi / マイクロアレイ / epigenetic / MAPK / Wnt |
Research Abstract |
膵癌における12qの候補癌抑制遺伝子DUSP6は、高頻度に発現抑制が見られたが、その機序としてepigeneticな機構が関わっていた。膵癌細胞でDUSP6を再発現させるとアポトーシスを起こすが、その際、発現が変化している遺伝子をマイクロアレイでスクリーニングし、重要と考えられる遺伝子について、さらに解析を加えた。その結果、DUSP6の再発現により、ETS-2の抑制を介したAURKAの著明な発現抑制が確認された。膵癌では高頻度に20qのコピー数の増加が見られていたが、この部に位置するAURKAは膵がんにおいて発現が亢進していた。RNAi法により遺伝子機能を抑制すると、細胞増殖抑制効果、G2 arrest、ならびにアポトーシスの誘導が見られ、さらにtaxaneを併用することにより、相乗的抗腫瘍効果が見られた。 MAPKの経路とPI3Kの経路はいずれも発がん過程で重要な働きをしているが、子宮内膜がんと悪性黒色腫でMAPK、PI3Kの両ルートの異常を検討し、両者に共通性が見られるものの、明らかな違いもあることを明らかにした。 メチル化により遺伝子発現が制御されるプロモーター領域を正確に知るために、マイクロアレイとメチル化感受性、抵抗性の制限酵素を組み合わせたMIAMI法を開発し、従来のCOBRA法などと比較検討し、8091個の遺伝子について、プロモーター領域のメチル化の状態を正確に知ることを可能にした。また、p16やhMLH1遺伝子は発現過程で高頻度にはつげん抑制されているが、この機構にMBD4が密接に関わっていることを明らかにした。 Wntの経路は様々な経路で重要な働きをしている。これまでに下垂体腺腫において、CTNNB1(ベータカテニン)の核内異常集積が高頻度に見られることを報告したが、CTNNB1遺伝子そのものの変異は少なく、関連するAPC, XIN1、GSK3B、ICAT遺伝子などの異常の頻度も少なかった。この事実から、未知の機序によりCTNNB1の異常集積が生じ、発がんへ関与していることが考えられた。
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Research Products
(18 results)