2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀井 明 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40249983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂村 眞琴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10201584)
八重樫 伸生 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
江川 新一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00270679)
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Keywords | がん / ゲノム / 発現制御 / 病理学 / 個別化医療 |
Research Abstract |
膵癌において高頻度に過剰発現するS100A4遺伝子は、RNAi法によりノックダウンすると、増殖能と浸潤能の抑制が示された。ノックダウン前後に発現が変化する遺伝子をマイクロアレイにより解析し、発現が著明に亢進する遺伝子を2個、著明に減弱する遺伝子を9個特定した。2個の亢進する遺伝子は定量PCRでも発現亢進が確認され、さらなる解析を進めている。 膵癌細胞株に正常18番染色体を移入すると増殖抑制が見られる。また、18qに共通欠失領域が特定されているが、マイクロアレイ解析からPMAIP1遺伝子が候補となった。遺伝子を高発現させると増殖抑制され、ノックダウンすると増殖活性化されることを確認したが、甚だしくなく、これ以外に候補遺伝子がある可能性が考えられた。 4qの家族性膵癌の遺伝子座近傍にがん抑制遺伝子としての働きが報告されているFBXW7遺伝子がマップされた。異常の有無を18例の膵癌細胞株で検討を加えたが、6例で FBXW7の発現の減少とCCNE1の発現亢進が見られたのみであり、主要ながん抑制機能を果たしているとは考えにくかった。他の腫瘍でも検討すると、6例中2例の大腸癌細胞株と7例中1例の卵巣癌細胞株において変異が検出された。この遺伝子は3種のisoformがあるが、beta formが脳で主要な働きをしている。脳腫瘍において、このbeta formの発現が著明に抑制されていることを発見した。 子宮内膜がんでAKT1をノックダウンすると顕著な増殖抑制効果が見られた。このことから、AKT1が分子標的の良い候補となる可能性が示された。 これらの研究を進める過程で、高効率で高速で安価なligation反応の方法を開発した。この方法では、100反応を1ドルで10分以内に行うことが可能であり、コーヒーブレイクの間に全てが済むとの意味で「coffee break ligation法」と命名した。
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Research Products
(22 results)