2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀井 明 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40249983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂村 眞琴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (10201584)
八重樫 伸生 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
江川 新一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00270679)
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Keywords | がん / ゲノム / 発現制御 / 病理学 / 個別化医療 / メチル化 / がん抑制遺伝子 / がん遺伝子 |
Research Abstract |
膵癌の発生、進展に関わる18qのがん抑制遺伝子の候補としてマイクロアレイ解析からPMATP1遺伝子を特定した。本遺伝子を高発現させるとがん細胞の増殖抑制が見られ、ノックダウンすると細胞増殖が活性化されるが、18番染色体を移入した場合と比べ、程度は低く、これ以外に候補遺伝子がある可能性が考えられた。さらに、18qの候補遺伝子としてRAB27Bの検討も加えたが、やはり程度は低かった。現在はmiRNAの検討を加えている。 膵癌において高頻度に過剰発現するSIOOA4遺伝子については、RNAi法でノックダウンすると、増殖能と浸潤能の抑制が示されたが、ノックダウン前後で発現変化が見られる遺伝子をマイクロアレイにより特定し、ノックダウン後に癌抑制遺伝子の2種が著明に発現亢進することを明らかにした。これらの遺伝子の機能の解析を続けている。また、SIOOA4遺伝子を低発現細胞に導入し、その際の細胞の性質の変化を検討している。 12qの0USP6は膵癌で発現が抑制されているがん抑制遺伝子として働いているが、この遺伝子は主にイントロン1のCpGサイトのメチル化で発現抑制されており、同部へのETS2の結合がメチル化で阻害されることが重要であることを明らかにした。 4番染色体にはリンケージ解析により家族性膵癌の遺伝子座がマップされているが、当該領域にマップされたがん抑制遺伝子、FBXW7遺伝子を解析した。本遺伝子は別々のプロモーターから転写される3のアイソフォームがある。膵癌細胞では遺伝子異常は見られなかったが、胸腺腫において、FBXW7 beta fromのCpG siteの高度メチル化を発見した。さらにこのメチル化の程度とWHOの組織分類とには強い相関関係が見られることを明らかにした。 多くのがん抑制遺伝子はエピジェネティックな機序で発現が抑制されるが、同部のメチル化されたCpG配列に親和性の高いMBDタンパクと転写因子を含むタンパクを用いて再活性化できることを示した。
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Research Products
(21 results)