2007 Fiscal Year Annual Research Report
胃の前がん病変およびがんの発生に関与する生体因子と生活習慣要因の探索
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17015013
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
湯浅 保仁 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80111558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10171167)
河野 辰幸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00186115)
滝沢 登一郎 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (80323674)
今井 一枝 財)放射線影響研究所, 放射綿生物学/分子疫学部, 研究員 (80260230)
深町 博史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70134450)
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Keywords | 胃がん / メチル化 / IQGAP2 / マイクロRNA / マウスモデル / E-カドヘリン / ノックアウト |
Research Abstract |
1.胃がんにおけるIQGAP2遺伝子のメチル化による発現抑制とそれによる浸潤能の高進 培養胃がん細胞株において、細胞の接着・移動などに関与しているIQGAP2の発現とメチル化を解析し、発現低下とメチル化を検出した。脱メチル化剤処理により発現が回復したので、メチル化による発現抑制と考えられた。原発性胃がんについても、IQGAP2はメチル化により発現が低下していた。原発性胃がんの47%にメチル化が見られ、メチル化のある胃がんでは浸潤が強く、予後不良であった。また、siRNAによりIQGAP2の発現を抑制した胃がん細胞では浸潤能が高進した。以上から、IQGAP2のメチル化は胃がんの進展に関与することが示唆された。 2.胃がんにおけるマイクロ(mi)RNAのメチル化による発現低下の検索 胃がんにおけるmiRNAの関与を明らかにするため、胃がん細胞株を脱メチル化剤処理し、miRNAのマイクロアレイにて解析した。処理後に発現量が2倍以上に増えたmiRNAは20個以上あった。定量的RT-PCR法でも、少なくとも4種のmiRNAが、脱メチル化剤処理により2倍以上に発現が増加していた。以上より、胃がんでもメチル化により発現が下がるmiRNAの存在が示された。 3.マウスモデルを用いた解析 E-カドヘリンは、低分化型胃がんの原因遺伝子である。我々は、E-カドヘリンをCre-lox系により胃特異的にノックアウトして、胃がんができるかどうかを解析するため、E-カドヘリン-loxマウスと胃特異的に発現するAtp-4b-Creマウスとの交配により、E-カドヘリンを胃特異的に発現しなくなるマウスを作成した。このマウスでは、生後3ヶ月で腺構造の乱れが見られ、さらに6ヶ月では過形成が見られており、胃がん発症解明のよいモデルである事がわかった。
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Research Products
(26 results)