2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸口田 淳也 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
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Keywords | 肉腫 / 遺伝子発現 / 遺伝子診断 / 予後診断 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
平成20年度は下記の成果を得た。 1. 転移関連遺伝子として同定したC7059遺伝子に関して 1) C7059陰性肉腫細胞にレンチウィルスを用いてC7059遺伝子を導入、安定発現細胞株を樹立し、NOD/SCIDマウスへの移植により造腫瘍能の変化を解析した。その結果、C7059の発現レベルに応じて、造腫瘍能が亢進していることが判明した。更にshRNAを用いて発現を抑制したところ、造腫瘍熊が抑制されC7059のin vivo造腫瘍能への寄与が確認できた。 2) C端ロイシンジッパーモチーフを欠損させた変異体を作製、強制発現させると、著しい細胞形態の変化をもたらし、アクチンの重合を阻害することが判明した。 3) IP-MASにより同定された結合タンパクとの共在を、細胞免疫染色で確認した。その結果、特に細胞膜の裏打ち領域でこれらと結合することが判明し、細胞運動との関連性を示唆した。 2. 肉腫に対する分子標的治療法の開発としての肉腫細胞の同定 5種類の肉腫細胞株をNOD/SCIDマウスに移植し、形成された腫瘍より、再びin vitroでの細胞株(NSTと称す)を樹立し、再度マウスへの移植実験を行った。その結果、5種類全てのNST株で初回接種時より、早期に腫瘍が形成され、造腫瘍が亢進していることが判明した。そこで、これら5種類のNSTと親株の間で、発現プロファイルを比較し、5種類に共通して変化した遺伝子群を同定した。これらのうちいくつかは、宿主からのサイトカインで誘導される分子であり、造腫瘍能が増殖能だけでなく、宿主との相互作用も重要であることが判明した。現在、同定した遺伝子について解析を進めている。
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