2005 Fiscal Year Annual Research Report
治療アストカムに立脚した泌尿器科がんの治療反応性予測のための分子マーカーの開発
Project/Area Number |
17015025
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
福島 雅典 京都大学, 医学研究科, 教授 (80107820)
賀本 敏行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00281098)
伊藤 哲之 京都大学, 医学研究科, 講師 (70343225)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
|
Keywords | 泌尿器科癌 / 膀胱癌 / 腎細胞癌 / 前立腺癌 / テーラーメイド医療 / 治療反応性予測 / 治療アウトカム / 分子マーカー |
Research Abstract |
下記の泌尿器科癌にてそれぞれ後述する成果を得た。 1,前立腺癌 内分泌療法の反応性を予測する基礎的資料とするために、臨床検体より得られた癌組織よりXenographt modelを作製した。このモデルによって、前立腺癌がアンドロゲン受容体変異によりホルモン治療抵抗性を獲得するメカニズムの解明を行った(Cancer Res.,2005)。この他、培養細胞を用いて前立腺癌のアンドロゲン依存性増殖機構の解明を行っている(論文投稿中)。 2,腎細胞癌 臨床経過の明らかとなっている腫瘍組織を用いたC-DNA microarray解析より、腎細胞癌の予後に相関する遺伝子を10種類同定した。現在、その機能解析を進めている。また、プロテオーム解析の手法で腎細胞癌の腫瘍抑制遺伝子であるVHL遺伝子が制御する蛋白群の同定を行った.AP-1 familyの二つであるJUNBが腎細胞癌発癌や副腎褐色細胞腫発症に関写していることを初めで明らかにした(Genes and Cells,2005,Am J Pathol 2006)。さらに、より網羅的なタンパク質解析が可能なショットガンプロテオミクスを使用することで、患者血清より腎細胞癌血清マーカー候補蛋白を同定し解析を進めている。 3,膀胱癌 膀胱癌にて近年問題化している化学療法耐性の克服のために、膀胱癌特異的に上昇している活性酸素種(ROS)解毒作用をもつNADH quinone oxidoreductase-1 (NQO1)酵素に注目し、その阻害剤であるDicoumarolによってシスプラチン等の抗癌剤の抗腫瘍効果を増強する知見を見出し、解析の結果、Dicoumarolの細胞障害活性はp53-p21経路を介した細胞周期停止機構を阻害し、その結果JNKを活性化することでmitochondriaを介したapoptosisを誘導することが判明し報告した(Oncogene. 2006 in press)。
|