2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 治夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70162906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20273691)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 免疫学 |
Research Abstract |
白血病の分子診断に関しては、WT1検査(ウィルムス腫瘍遺伝子WT1のmRNAをPCRで定量することにより、末梢血においては、正常細胞10万個の中に1個の白血病細胞が残存すれば検出することができる我々が世界に先がけて開発した検査)は、白血病治療のための必須の検査になり、現在、保険適用を申請中である。WT1検査においては、WT1mRNA値が、治療の結果正常値に下った後、再上昇をはじめた時、経時的に2点で連続してWT1mRNA値が上昇した時は、確実に再発に向かっていることが明らかになった。分子標的治療に関しては、WT1ペプチドを用いた白血病に対する免疫療法の第I相臨床研究において、12人の急性骨髄性白血病患者にWT1ワクチンを投与したが、このうち8人ではWT1値が異常で白血病細胞の残存が明らかであったが、この8人のうち4人でWT1ワクチンが有効でWT1値が低下した。さらにこの4人のうち3人には、2年10ヶ月〜2年11ヶ月の長期にわたりWT1ワクチンが継続投与されており、現在WT1値は正常化し、臨床効果があったと考えられる。長期にわたり臨床効果が見られているAMLの患者さんでは、WT1特異的な免疫応答も持続しており、WT1特異的免疫応答が臨床効果につながっていることが示唆された。WT1ワクチンの投与部位の発赤、腫脹以外、WT1ワクチンによる副作用は見られていない。
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Research Products
(5 results)