2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 治夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70162906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20273691)
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Keywords | WT1 / 分子診断 / 分子標的治療 / 免役療法 |
Research Abstract |
1.白血病の分子診断 ウイルムス腫瘍遺伝子WT1は白血病のマーカーであることを我々が明らかにして以来、WT1 mRNA量の定量による白血病の微小残存病変の分子診断が広まってきた。昨年9月20日には、WT1 mRNAの定量キットの製造承認が厚生労働省から大塚製薬に下りた。保険採用がまたれている。 2.白血病の分子標的治療 WT1は、急性骨髄性白血病(AML)の94%、急性リンパ性白血病(ALL)の84%に発現する腫瘍抗原である。WT1ペプチド免疫療法の安全性を評価するための第I相臨床研究を2001年にスタートした。この第I相臨床研究では12人のAML患者にWT1ペプチドワクチンが投与された。このうち8人が臨床効果評価病変(微小残存白血病細胞)をもち、臨床効果の評価が可能であった。この8人のうち4人が、2週毎の計3回のWT1ペプチドワクチンの投与で微小残存白血病細胞が減少(WT1 mRNAレベルの低下)し、臨床効果が見られ、さらにこの4人のうち3人が3年10ヶ月〜4年にわたり、現在もWT1ペプチドワクチンの継続投与を受けている。WT1ペプチドワクチン投与前は、この3人は分子再発の状態(約10^<10>個の白血病細胞が残存)にあったが、WT1ペプチドワクチンの継続投与により、白血病の微小残存病変が減少し、WT1ペプチドワクチン投与後3年10ヶ月〜4年にあたる現在、完全寛解が持続している。副作用はWT1ペプチドワクチンの投与部位の発赤、腫脹以外、重篤なものはない。
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Research Products
(4 results)