2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015029
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
錦織 千佳子 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50198454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 徹 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (20294225)
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Keywords | 皮膚がん / IL-10 / グルタチオンS-トランスフェラーゼ / 遺伝子多型 / 紫外線 |
Research Abstract |
本研究では、腫瘍の発育を促進させる宿主側の要因として、酸化ストレスに対する感受性の差、腫瘍の発育を許容する免疫機構の低下に関する遺伝子群に的をしぼり、その多型を調べた。前者についてはグルタチオンS-トランスフェラーゼの多型について検討し、後者については紫外線による全身的な免疫抑制のメディエーターであるIL-10遺伝子のプロモーター領域における遺伝子多型を皮膚癌患者において検証した。皮膚がん患者80名および対照患者23名から文書による同意を取得後末梢血白血球からDNAを抽出し、PCR-RFLP(制限酵素断片長多型)法、およびPCR-SSLP(単純塩基配列長多型)法を用いて遺伝子多型の検討を行った。 IL-10遺伝子プロモーター領域の-1082,-819,-592における遺伝子多型の解析では、基底細胞癌と有棘細胞癌患者において約80%にACC/ATAが認められた。対照ではATA/ATA,ACC/ATAがほぼ同率であったことから、ACA/ATAの宿主が発癌に感受性が高いことが示唆されるが、例数が少なく統計学的有意差はない。一方で、この結果はCaucasianの対照の多型頻度と異なり、遺伝子多型については日本人固有のデータの蓄積が必要であることを示している。同じ検体を用いてS-GSTM1,SGSTP1,SGTM3、GSTT1の遺伝子多型について解析した。上皮内有棘細胞癌において、SGTM1のnull多型が6/9(=67%)とコントロール(50%)に比較して高かった。露光部に生じた有棘細胞癌においてはGSTT1のnull typeが(9/13=69%)とコントロール群(=2O%)より有意に高率に認められ、日本人において、この多型が露光部皮膚癌のリスクファクターである可能性が考えられた。
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Research Products
(14 results)