2005 Fiscal Year Annual Research Report
転移能を有する癌幹細胞様細胞の解析と循環血中での検出
Project/Area Number |
17015032
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 正樹 九州大学, 生防御医学研究所, 教授 (70190999)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (90203249)
|
Keywords | 幹細胞 / 遊離癌細胞 / 末梢血液 / 骨髄 / RT-PCR |
Research Abstract |
消化器癌患者の骨髄・末梢血・リンパ節中の微量癌細胞(遊離がん細胞ITC)の存在は、従来の病理学的因子を凌駕する予後・悪性度の新たな予測因子として期待されている。しかし現時点までの研究では、ITC陽性症例の中に転移を形成しない症例またはその逆の症例があることから、真に転移能を有するITCの検出法の確立が急務となっている。Katoらは、自己複製能と同時に分化能を有する癌幹細胞が、脳腫瘍の転移成立において重要であるとの報告した(Kato et al, PNAS 2004)。従って、われわれは消化器癌における幹細胞様細胞の同定を試み、癌幹細胞様細胞特異的に発現している遺伝子を同定。この遺伝子を標的マーカーとして循環血あるいは骨髄中に存在する真の癌細胞を同定した。 われわれは、本年度本研究費をいただき、癌幹細胞様細胞の存在すなわち、自己複製能および増殖能を有する癌細胞の存在を明らかにして報告をした(Haraguchi, Stem Cell 2006)。 1)われわれは、本年度は、この幹細胞特異的に発現している遺伝子をマイクロアレイにて同定し、乳癌あるいは胃癌患者の骨髄および末梢血液より抽出したmRNAを鋳型として、定量的RT-PCRを実施した。すでにわれわれは乳癌および胃癌それぞれ1000例における骨髄抽出液および末梢血液を所有しており、これらについて解析をした。 2)さらに、幹細胞特異的遺伝子の中で表面抗原を標的抗体とした免疫細胞診検査で遊離癌細胞の検出を行った。同定した癌細胞の性格、特に腫瘍形成能や幹細胞としてのphenotype(自己複製能と増殖能を併せ持つこと)を有するかについて明らかにした。
|
Research Products
(6 results)