2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015035
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西村 泰治 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (10156119)
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Keywords | 腫瘍特異抗原 / 腫瘍免疫 / 細胞傷害性(キラー)T細胞 / ヘルパーT細胞 / HSP105 / キラーT細胞エピトープペプチド / DNAワクチン / 樹状細胞ワクチン |
Research Abstract |
本研究は、cDNAマイクロアレイによる癌細胞と正常組織における遺伝子発現の比較解析、あるいは腫瘍細胞由来のcDNA発現ライブラリーより、癌患者血清中のIgG抗体に反応するものを選びだす方法(SEREX法)を用いて同定した腫瘍抗原の中から、癌特異的に高発現しているものを厳選し、ヒト癌の診断ならびに免疫療法に利用できるものを同定することを目的とする。 我々が膵臓癌患者血清と膵臓癌細胞株由来のcDNA発現ライブラリーを用いて同定したHSP105蛋白質は、主に細胞質に局在し、正常組織では精巣以外にはほとんど発現しないのに対し、膵癌、大腸癌、食道癌、甲状腺癌、乳癌(硬癌以外)などの多様な癌のほとんどの症例で高発現する。腫瘍拒絶抗原としてのHSP105の可能性を検討すべく、まずHSP-105遺伝子発現ベクター(DNAワクチン)を作製し、これをマウスに皮下注射することにより、その抗腫瘍効果を観察した。その結果、個体差はあるものの、約50%のマウスにおいてDNAワクチンの前投与により、その後に皮下移植されたHSP105を高発現するマウス大腸癌細胞株Colon-26の増殖が抑制され、マウスの寿命が延長した。さらに、リコンビナントマウスHSP105蛋白質を作製し、これをマウス骨髄由来樹状細胞に負荷した後にマウスに前投与し、その後にColon-26を皮下移植したところ、DNAワクチンと比較してさらに安定した抗腫瘍効果が誘導された。またHSP105遺伝子の強制発現ならびにSi-RNAによる遺伝子発現の抑制実験により、HSP105がヒト癌細胞において抗アポトーシス作用を発現することにより、癌化の促進に関与している可能性を示した。またHSP105特異的si-RNAを、NOD-SCIDマウスの皮下に移植したヒト胃癌細胞株が形成した腫瘤内に注入することにより、in vivoにおける腫瘍の増殖を抑制することに成功した。
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Research Products
(16 results)