2006 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア諸国における消化管がんの宿主・環境要因の研究
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17015040
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
徳留 信寛 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00037441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 貞夫 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (20226509)
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Keywords | 東南アジア諸国 / ベトナム / タイ / インドネシア / 胃がん / 大腸がん / エコロジカル研究 / 症例対照研究 |
Research Abstract |
東南アジア諸国において、消化管がん(胃がん、大腸がん)に関する疫学研究を実施し、当該がんの予防とコントロールに資する。 国際エコロジカル研究では、一般住民を対象にして生活習慣調査および食生活調査を行ない、口腔粘膜を用いて脂肪酸組成を調べ、呼気はヘリコバクターピロリ(Hp)尿素呼気試験、血漿成分はHp IgG抗体、ペプシノゲンテスト、脂肪酸濃度・組成分析、抗酸化物質などの分析、白血球層を用いたHLA、薬物代謝酵素、アルデヒド脱水素酵素、脂質代謝酵素など遺伝子多型を解析している。起床後第2尿を用いてナトリウムおよびカリウム1日排泄量を推定、便は突然変異原性分析、腸内菌叢のPCR分析を行なう。 2003年にタイのコンケン、2004年にベトナムのハノイ、2005年にホーチミン市近郊において、国際エコロジカル研究を実施した。3地区のHp感染率はわが国より高いが、ペプシノゲンテスト陽性率は低かった。この地区で胃がん罹患率が低いのは、胃がんの診断のレベル、がん登録の精度に加えて、宿主のHLA・各種遺伝子多型とHp DNA・Hp病原性の差異が関連していよう。 一方、2003年にはインドネシアのジョグジャカルタ、2005年にセマラン、2006年にバリ、2007年にマタラムで国際エコロジカル研究を実施した。いずれの地区でも胃がんが非常に少ないが、それはHp感染率が低いことで説明できよう。 さらに、胃がん・大腸がんに関する症例対照研究を実施している。生活習慣調査および食生活調査、血漿を用いてHp IgG抗体、ペプシノゲンテスト、脂肪酸濃度・組成分析、抗酸化物質分析、白血球層を用いてHLA、各種の遺伝子多型を解析し、宿主要因の関与を明らかにする。 現在、ハノイで胃がん215例、大腸がん172例、コンケンで胃がん101例、大腸がん253例、ジョグジャカルタで大腸がん113例とそれぞれの対照群を収集している。
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Research Products
(17 results)