2009 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア諸国における消化管がんの宿主・環境要因の研究
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17015040
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
徳留 信寛 National Institute of Health and Nutrition, 理事長 (00037441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 貞夫 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20226509)
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Keywords | 東南アジア諸国 / 胃がん / 大腸がん / 宿主要因 / 環境要因 / 国際エコロジカル研究 / 症例対照研究 |
Research Abstract |
胃がんおよび大腸がんの予防・コントロールに資するために、東南アジア諸国において、国際エコロジカル研究および症例対照研究を実施した。 国際エコロジカル研究としては、インドネシアのマカッサルの一般住民を対象とし、生活習慣調査票(LSQ)および食物摂取頻度調査票(FFQ)調査を実施し、呼気を用いてウレアーゼテスト、血液はピロリ菌(Hp)抗体、ペプシノゲン、抗酸化物質などを分析し、尿は塩分、カリウムなどの排泄量分析などを実施した。白血球層を用いてHLA、Hp感染・炎症サイトカインなどに関する遺伝子多型を解析し、宿主要因の関与を調べた。 インドネシアのマカッサルで胃がん罹患率が低いのは、Hp感染率が低いことによると示唆された。Hp感染群と非感染群のHLA、各種遺伝子多型分析を行ったところ、砂感染群が非感染群に比較して、HLADQB1*0401(ハノイ)、DQB1*0502(マタラム)が多かった。炎症サイトカイン・薬物代謝関連遺伝子多型の分析では、両群間で統計学的に有意なものはなかった。現在、インドネシアでHp感染率が低い理由に関して、宿主要因、生活習慣要因、両者の交互作用を含めて検討している。 ハノイ、コンケン、ジョグジャカルタにおいて、胃がんおよび大腸がんの症例・対照群に対してLSQおよびFFQ調査を行い、血液試料を用いて、HP抗体、各種遺伝子多型を解析した。 コンケンでの胃がん症例対照研究では、野菜・果物摂取が予防要因であることが示唆された。大腸がん症例対照研究では、家族歴、肉の摂取がリスク要因であること、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素A1298Cと大腸がん家族歴との間に交互作用があることが観察された。なお、ハノイでの胃がんおよび大腸がんの症例対照研究はデータ解析中である。インドネシアの大腸がんに関する症例対照研究は、対象者の収集を継続している。
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Research Products
(6 results)