2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂元 亨宇 Keio University, 医学部, 教授 (40221270)
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Keywords | 浸潤性膵管がん / 浸潤 / 予後因子 / 神経浸潤 / 移植モデル / 遺伝子発現プロファイル / プロテオーム |
Research Abstract |
膵癌は未だに早期診断が困難であり、また早期から高い浸潤性を示す。障癌同所移植腫瘍のDNAマイクロアレイ解析から、CAP 1 の高率な過剰発現と細胞運動能・浸潤性への関与を始めて見出し報告したが、その臨床的な意義を解析した。検討した73例の全てで陽性を示したが、各症例において正常膵管よりも強いCAPl染色性を示すがん細胞の割合は平均で78.5%であり、陽性率75%を境にCAPl高発現群と低発現群とに分類した。CAP1高発現はリンパ節転移(P=0.015)および神経周囲浸潤(P=0.005)さらには5年生存率(P = 0.021, log-rank test)との間に有意な相関関係が見られた。これらのことから、CAP1の過剰発現は、膵癌の浸潤・転移能と予後不良に関連すると考えられた(論文投稿中)。 さらに膵がんの病理学的特性のひとつで、再発・疼痛の原因としても重要な神経(周囲)浸潤を再現可能な神経浸潤モデルを17年度に開発し、その機序の解明を目指している。高神経浸潤群と低浸潤群の比較をDNAマイクロアレイにて行い、CD74が縁がんの神経浸潤に関わる分子であることを18年度に報告した。同じ系を対象にプロテオーム解析を行い、両解析で共通にリストアップされたSNCGがmRNAならびにタンパクレベルで高神経浸潤群に高発現することを見出した。多数の臨床例を用いた解析にて、同分子の高発現は、神経浸潤・リンパ節転移と有意に相関し、有意な予後不良因子となることを示した。現在これら分子の発現を抑える系を作成しており、その機能的関与につき解析を行っている(論文投稿準備中)。以上の成果は、in vitroモデルの有用性を示すものであるが、一方で、in vitroで再現可能なアッセイ系は未だ確立されていない。
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[Journal Article] Genome-wide array-based comparative genomic hybridizationanalysis of pancreatic adenocarcinoma: Identification of genti indicators that predict patient outcome.2007
Author(s)
Loukopoulos P, Shibata T, Katoh H, Kokubu A, Saka moto M, Yamazaki K, Kosuge T, Kanai Y, Hosoda F, Imoto I, Ohki M, Inazawa J, Hirohashi S
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Journal Title
Cancer Sci 98
Pages: 392-400
Peer Reviewed
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