2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015046
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
中川原 章 千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 局長 (50117181)
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Keywords | 小児がん / 個別化医療 / 肝芽腫 / 神経芽腫 / DNAチップ / アレイCGH |
Research Abstract |
小児固形腫瘍の層別化と個別化を目指した診断法を確立することを目的として、平成18年度は神経芽腫と肝芽腫を対象として以下の成果を得た。(1)神経芽腫:我々が独自に開発しカスタム化に成功したin-house cDNA microarray(上位ランク200個の遺伝子を搭載したミニチップ)を用いて、これまでに100例の神経芽腫症例を対象にprospective validationが終了し、現在その集計を行っている。従来の病期、年齢、MYCN増幅、DNA ploidyなどの予後因子との関連から、ほぼ良好なposterior値が示されているが、最終評価には今後長期のフォローアップが必要である。また、一方で、270例のアレイCGH解析結果からゲノム異常パターンによる新しい層別化システムを確立した。これに我々が開発した遺伝子発現チップによる予後予測を組合わせると、後者は前者とは独立した予後因子であった。したがって、層別化から個別化へ展開する神経芽腫の予後予測システムを完成させることができた。今後、このシステムの検証をグループスタディとの連携で進めていく必要がある。また、全国から送られてくる神経芽腫検体を対象に、DNA ploidy、MYCNコピー数(FISH法と定量的PCR法)の検査結果を10日以内にon-lineで返信する遺伝子診断システムを確立した。現在、これに重要な予後因子である1p loss、11q lossのFISH検査を加えるべく準備中である。(2)肝芽腫:60例のアレイCGH解析から、予後が非常に良く組織学的にfetal typeと相関するsilent aberration群と、予後が比較的悪く組織学的にembryonal typeと相関するaberrant群の2群に分けられることが明らかになった。また、予後不良と関連する染色体領域とそこにマップされる遺伝子を同定した。
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