2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015046
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
中川原 章 Chiba Cancer Center (Research Institute), 研究局, 研究局長 (50117181)
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Keywords | 小児がん / 個別化診断 / 個別化治療 / 神経芽腫 / DNAチップ |
Research Abstract |
小児固形腫瘍の層別化と個別化を目指した診断法を確立し、臨床での前向き評価の実現および新規予後マーカーの検索と創薬への展開を目的として、平成20年度は主に神経芽腫を対象として以下の成果を得た。昨年度までに、アレイCGHの測定システムの違いに関わらず、網羅的ゲノム異常パターンによって臨床応用可能な神経芽腫の新しいリスク分類を確立したが、本年度は、東京大学の小川らのグループと一緒に発見したALKチロシンキナーゼ受容体遺伝子の点突然変異の検索を総数188例から346例に拡大し、その結果を我々が提唱するゲノムリスク分類に当て嵌めたところ、2つのゲノム異常サブグループにクラスターが見られることが明らかになった。また、これらの症例の長期フォローアップ調査を行い、現在までに約75%の回収率となっているので、最長フォローアップ期間13年の信頼性の高いリスクグループを確立できるものと期待している。また、日本神経芽腫スタディグループのプロトコール附随研究として申請を準備中である。一方、従来より行っている神経芽腫予後予測用実用化ミニチップ検査は、これまでに140例となり、フォローアップデータを収集してその評価を行う予定である。さらに、1番染色体短腕1p36にマップされるがん抑制遺伝子であるRUNX3の神経芽腫における臨床的意義を検討したところ、進行例、とくにMYCNが増幅した悪性例においてその発現が著しく低下していることを見出した。また、興味深いことに、MYCNの増幅があってもRUNK3の発現が高い症例には長期生存例が見られた。現在、その分子生物学的な意味について解析を進めている。
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Research Products
(25 results)