2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016010
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 俊憲 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (50237468)
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Keywords | 免疫学 / 発生・分化 / 癌 / トランスレーショナルリサーチ / 糖鎖 |
Research Abstract |
我々の施設で、マウスのみならずヒトにおいてもNKT細胞の抗原受容体に特異的なリガンドが発見された。それは、糖脂質αガラクトシルセラミド(αGalCer)であり、マウスおよびヒトNKT細胞は特異的に活性化され、マウスの実験系でがんの転移は完全に抑制された。本研究では、NKT細胞のもつがん転移の抑制能を利用した免疫細胞治療法の開発に関する研究を行っている。これまでにαGalCerをパルスした患者自身の樹状細胞を戻す細胞治療のPhase I研究を終えた。活性化樹状細胞を用いた細胞療法(Phase IIa)は、患者数を増やすことを第1の目的にして治療研究を粛々と進めてきた。現在、17例の患者の治療をおえた。特に細胞治療と関連のある重篤な有害事象は検出されていない。治療した患者さんで実際にNKT細胞の活性化(数の増加、IFNγの産生細胞の増加)が起こっているか、といった免疫学的評価のための実験の進展は、予定通りで検出された。治療群において明らかな生存延長効果を認めた。現在、末梢血の詳しい解析中である。生存延長効果を反映するバイオマーカーの検索を行い、オーダーメイドの細胞治療法の開発を目指す。今後は、手術不能進行期症例または術後再発肺癌にたいするαGalCerのパルス樹状細胞を用いた細胞療法(Phase IIa)を終えた後に、「原発性肺癌c-stage IIB,IIIA期手術予定症例の術後再発抑制を目的としたαGalCerパルス樹状細胞療法(Phase IIa相当臨床研究)」を行う。自然免疫系をターゲットにした免疫療法開発という点でも、がん治療の研究領域に貢献できると考えている。
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