2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴尾 隆 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00012667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 直実 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40376645)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / ゲノム / 医療・福祉 / 薬学 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を推進し、成果を得た。 1)がん細胞のアポトーシス耐性 GLO1は、前立腺癌や大腸癌などで過剰発現している。新規抗癌剤の開発を目的として、GLO1を分子標的とした強力且つ化学的に安定なGLO1阻害剤の探索を行った。約60万の化合物からリード化合物として4種類見出されている。 2)シャペロンタンパクが関与する耐性機構を制御する分子標的薬剤 腫瘍増殖に選択的に関わるヒートショック蛋白質Hsp27について、その阻害物質やペプチドのスクリーニングを進めた。まず、Hsp27のsiRNAを3種類デザインし、その効果を調べ、その結果、Hsp27発現亢進のあるヒト前立腺癌細胞に対して、Hsp27の発現抑制および細胞増殖抑制効果があることを見い出した。 3)微小環境依存的な薬剤耐性を制御する分子標的薬剤 グルコース飢餓ストレスで誘導されるUPR(unfolded protein response)について、UPR誘導の薬剤耐性に対するプロテアソーム阻害剤の作用やUPR阻害剤の作用の詳細を明らかにするため、耐性細胞の樹立や新たな阻害剤の探索などの検討を行った。そして新たなUPR阻害剤として、糖尿病薬のビグアナイド系化合物群を見出した。これは、今後の分子機序解析のための有用なツールとなるものと考えられる。 4)耐性に関わるシグナル伝達系を制御する分子標的薬剤 新たなHsp90結合タンパク質としてIntegrin-linked Kinase(ILK)を同定した。ILK上の結合部位を検討した結果、ILKの377-406番目の部位がHsp90との結合に関与している事を見いだした。Hsp90阻害剤添加によるILKの半減期の変化を検討した結果、ILKの半減期は約33%減少しており、これはプロテアソームによるILKの分解が促進されたためであった。
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Research Products
(6 results)