2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016012
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
鶴尾 隆 (財)癌研究会, 癌化学療法センター, 所長 (00012667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 章弘 癌化学療法センターゲノム研究部, 部長 (40251483)
芳賀 直実 癌化学療法センターゲノム研究部, 研究員 (40376645)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / ゲノム / 医療・福祉 / 薬学 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を推進し、成果を得た。 1.がん細胞のアポトーシス耐性 前立腺癌や大腸癌で過剰発現するGLO1を分子標的として、化学的に安定なGLO1阻害剤の検索を続けている。リード化合物として4種類見出されており、さらなるGLO1阻害増強及び化学的性質向上のために、GLO1蛋白の3次元構造情報を基に、化合物の最適化(化学修飾)を行った。 2.シャペロンタンパクが関与する耐性機構を制御する分子標的薬剤 ミトコンドリア依存的な細胞死誘導経路の調節因子Hsp27や脂質代謝酵素などの阻害による影響を検討した。その結果、脂質代謝酵素阻害剤トリアシンによる抗癌剤CPTの効果増強を見出した。 3.微小環境依存的な薬剤耐性を制御する分子標的薬剤 グルコース飢餓ストレスで誘導されるUPR(unfolded protein response)について、UPR阻害活性を有する化合物versipelostatin、ビグアナイド系糖尿病薬メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミンを用いマイクロアレイによる遺伝子発現解析を進め、薬剤の作用とリンクする発現signatureの同定に成功した。これは、今後の分子機序解析やPOC(Proof of Concept)研究のための有用なツールとなるものと考える。また発堤signatureに含まれる遺伝子群の機能を探索するため、siRNA等の作製等の準備を進めた。 4.耐性に関わるシグナル伝達系を制御する分子標的薬剤 がんの抗がん剤耐性化に関わるAktに関し研究を進め、Aktに結合する分子を大腸菌を用いたツーハイブリッド法にて検索し、侯補分子を同定した。この侯補分子の過剰発現は、Aktの活性を減弱するとともに抗がん剤感受性を増大させた。ヌードマウス移植モデルで、侯補分子の過剰発現はがん細胞の増殖能を低下させることが確認された。
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Research Products
(7 results)