2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016012
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
冨田 章弘 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌化学療法センター・ゲノム研究部, 部長 (40251483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 直実 癌化学療法センター, ゲノム研究部, 研究員 (40376645)
片山 量平 癌化学療法センター, 基礎研究部, 研究員 (60435542)
馬島 哲夫 癌化学療法センター, 分子生物治療研究部, 研究員 (30311228)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / ゲノム / 医療・福祉 / 薬学 |
Research Abstract |
1)がん細胞のアポトーシス耐性:耐性がん細胞で過剰発現するGL01の阻害剤検索を続行した。既知のGL01阻害剤の弱点である不安定性を回避するため、化学的に安定なリード化合物を同定し最適化研究を進めた。前立腺がんの治療抵抗性に重要なアンドロゲン受容体シグナルの阻害剤探索系を確立し、化学療法基盤情報支援班標準阻害剤キットを用い複数の陽性化合物を同定した。また、薬剤耐性を示すSP(side population)細胞ではABCG2が過剰発現していること、ABCB1を阻害する多剤耐性克服薬DofequidarがABCG2をも阻害し、SP細胞の多剤耐性形質を克服できることを証明した。 2)細胞死調節にかかわる退社酵素を制御する分子標的薬剤:アシルCo-A合成酵素(ACS)が、微小環境で見られる低pH下でのグリオーマ細胞の生存増殖に寄与することを明らかにした。その分子機序として、低pH下ではミッドカイン遺伝子の発現が低下するが、ACS過剰発現細胞ではその発現が増強・維持され、細胞生存につながることを見出した。 3)微小環境依存的な薬剤耐性を制御する分子標的薬剤:遺伝子発現情報を用いた化合物探索系Connectivity map を活用し、寄生虫薬のパモ酸ピルビニウムが、グルコース欠乏時選択的に小胞体ストレス応答を抑制することを見出した。Versipelostatinの作用機序解析から、グルコース欠乏時の小胞体ストレス応答制御に、翻訳開始抑制因子4E-BP1が関与することを明らかにした。 4)耐性にかかわるシグナル伝達系を制御する分子標的薬剤:がん細胞の薬剤耐性にかかわるPimキナーゼが、新たな基質として同定したp27の157番目と198番目のスレオニン残基をリン酸化することを見出した。同定したリン酸化部位を含むp27ペプチドとPimとの共結晶化に成功し、阻害剤開発につながる構造的基盤を解明した。
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Research Products
(41 results)