2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016012
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
冨田 章弘 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌化学療法センター・ゲノム研究部, 部長 (40251483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 直実 財団法人癌研究会, 癌化学療法センター・ゲノム研究部, 研究員 (40376645)
片山 量平 財団法人癌研究会, 癌化学療法センター・基礎研究部, 研究員 (60435542)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / ゲノム / 医療・福祉 / 薬学 |
Research Abstract |
1) がん細胞のアポトーシス耐性:再燃性前立腺がんに見られる短鎖型アンドロゲン受容体(AR)は、ARシグナリングを常時作動させることにより、同細胞のアンドロゲン非依存性増殖に寄与することを見出した。また、SP細胞に過剰発現しているABCトランスポーターに関して、48種類の発現量を定量リアルタイムPCR法にて検討した結果、これまでに報告の無いABCトランスポーターの過剰発現を見出すことに成功した。 2) 細胞死調節に関わる代謝酵素を制御する分子標的薬剤:アシルCo-A合成酵素阻害剤トリアシンcは、抗がん剤エトポシドによる、ミトコンドリアからのチトクロムcの遊離を促進し、エトポシドの薬効を高めることを見出した。 3) 微小環境依存的な薬剤耐性を制御する分子標的薬剤:グルコース飢餓環境での細胞生存におけるミトコンドリアの役割を明らかにするため、ミトコンドリアDNA欠損細胞やミトコンドリア呼吸鎖阻害剤を用い、体系的な遺伝子発現解析を進めた。ミトコンドリアの機能欠損によって、薬剤耐性に関わるストレス応答UPRに関連する遺伝子の多くが発現抑制されることを見出した。またUPRの新規制御因子NUCB1について、ゴルジ体局在化機構の研究を進め、N末端シグナルペプチドの切断部位から2番目のプロリン残基が小胞体一ゴルジ体輸送シグナルとして機能することを見出した。 4) 耐性に関わるシグナル伝達系を制御する分子標的薬剤:Pim-1の構造解析より得られたPim-1阻害剤を、前立腺がん移植担がんマウスに投与したところ、腫瘍の増殖遅延が認められ、さらにタキソールと併用することで腫瘍の退縮が一部のマウスで認められた。この結果より、本阻害剤をPim-1阻害薬のリード化合物として利用できる可能性が示された。
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Research Products
(23 results)