2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 久芳 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80225531)
野口 友美 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 技術職員 (20401284)
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Keywords | 核内受容体リガンド / サリドマイド / レチノイド / 抗アンドロゲン / 代謝物 / 血管新生阻害 / チュブリン重合阻害 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
合成レチノイドAm80の白血病治療薬としての上市(2005)ならびにTAC-101の固形がんを対象とした臨床第II相試験への導入(2oO7)の成功を受け、(1)引き続きレチノイドをはじめとする核内受容体ならびに(2)サリドマイド関連化合物の構造展開研究を、昨年度の成果[(a)核内受容体アンタゴニストの一般創製法仮説、(b)ジフェニルメタン骨格のステロイド代替え骨格としての活用法、(c)サリドマイドの代謝による活性生制御]をももとに遂行した。その結果、 (i)ジフェニルメタン型ビタミンD受容体/アンドロゲン受容体デュアルリガンドの創製ならびに受容体選択性・親和性に関わる構造要因の解明、 (ii)上記デュアルリガンドの、強力な前立腺がん細胞(SC-3細胞)増殖抑制活性の確認、 (iii)レチノイン酸受容体、レチノイドX受容体、ビタミンD受容体、プロゲステロン受容体、アンドロゲン受容体、パーオキシゾーム増殖剤応答性受容体、ファルネソイドX受容体およびLiver X受容体の各種核内受容体に対する新規アゴニスト/アンタゴニストの創製、 (iv)サリドマイド代謝物(分解物)の網羅的合成およびそれらの腫瘍壊死因子α生産抑制作用解析による、同活性に関わる代謝活性体の同定とその構造活性相関解析、 (v)サリドマイド代謝物をリードとした新規かつ強力なチュブリン重合阻害剤、5HPP-33、のヒト骨髄腫細胞に対する増殖阻害ならびにアポトーシス誘導活性の確認とその解析、 (vi)サリドマイドをリードとした新規シクロオキシゲナーゼ阻害剤ならびにヒストンデアセチーゼ阻害剤の創製と、それらの血管新生抑制作用の確認ならびに解析、 などを遂行し、がんの生物応答調節に関わる核内受容体機能修飾剤の多様性を充実させるとともに、サリドマイドの作用機構の理解に関わる知見を獲得することが出来た。
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Research Products
(6 results)