2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 愼 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任講師 (40415956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10305229)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / ゲノム / 炎症 |
Research Abstract |
1.新規の肝癌生体マーカーを同定すべく、肝炎、肝癌患者血清中の炎症、細胞増殖、血管新生に関わる因子についての検討を行い、IL-6を同定した。当科通院中のC型慢性肝炎患者について血清IL-6濃度を測定し、その後の累積発癌について検討した。その結果、平均観察期間9年間においてIL-6が増加するにつれて有意に発癌率が上昇した。さらに男女別に解析すると、男性ではIL-6濃度により発癌率の差はみられず、女性においてはその差がより大きく認められた。さらにその差にはエストロゲン濃度の関与が示された。 2.新たな肝癌分子マーカーの検索のため同意を得た6人の肝癌患者の癌部、非癌部の組織より抽出したタンパクを用いた。針生検は20G17mm針で施行され、直後に液体窒素中で凍結され、-80℃保存されたもの。HBsAg陰性、HCVAb陽性のC型発癌と考えられた症例である。レセプター型チロシンキナーゼ、血管新生関連因子の活性化、発現解析を網羅的に施行した。検索された42種類の受容体型チロシンキナーゼのなかで、複数の症例で腫瘍部(T)で背景肝(BG)よりも有意に高発現を示すものはみられなかった。しかし、1例でTie-2がTでBGの3.2倍に発現していた。Tie-2はAngiopoietin(Ang)-1の受容体であり、血管新生過程の制御に関与することが知られている。検索された55種類の血管新生関連タンパクのなかで、TでBGより高発現(>2 fold)の傾向を示したものは、Platelet Factor 4(PF4), Angiogenin(ANG), TIMP-1,Serpin E1(PAI-1), VEGFであった。現在症例数を増やし検討中である。さらに免疫染色を行っている。
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Research Products
(30 results)