2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ミセル型ナノキャリアによる薬物・遺伝子デリバリー
Project/Area Number |
17016017
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 一則 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 伸宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10372385)
宮田 完二郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (50436523)
岸村 顕広 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70422326)
石井 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80415075)
|
Keywords | ドラッグデリバリー / ナノキャリア / 高分子ミセル / がん化学療法 / 遺伝子治療 / siRNA / ナノテクノロジー |
Research Abstract |
DACHPt内包ミセルに関しては、マウスメラノーマB16F10細胞の肺転移モデルの微小転移巣に蛍光標識ミセルが特異的に集積することが確認された。また本年度は、大腸がんHT29細胞とそのオキサリプラチン耐性株に対する制がん活性を評価したところ、DACHPt内包ミセルはin vitroとin vivoのどちらの場合においても優れた制がん活性を示し、オキサリプラチン耐性を克服できることが明らかになった。今後は、そのメカニズムについて、ミセルの細胞内取り込みや細胞内Pt量およびDNA結合Pt量、さらには白金錯体制がん剤の解毒に関与するmetallothionein等の発現量と薬効との関連性を明らかにしていきたいと考えている。一方、遺伝子内包高分子ミセルに関しては、可溶型VEGF受容体(sFlt-1)発現プラスミドを搭載したジスルフィド(SS)架橋型ミセルの全身投与によって、血管新生阻害効果によりヒト膵がんBxPC3細胞の固形がんモデルの増殖が顕著に抑制され、ゲムシタビンやアバスチンよりも優れた制がん活性が確認された。さらに、そのメカニズムを検証したところ、SS架橋型ミセルの投与によってがん組織切片中の血管内皮マーカー(CD31)陽性部位の面積が有意に減少することやELISAによりがん組織特異的にsFlt-1の発現量が増大していることが確認された。以上のように、SS架橋型ミセルは膵がん組織に選択的にsFlt-1遺伝子を発現させることによって、優れた制がん活性を示すことが示唆された。
|
Research Products
(30 results)