2005 Fiscal Year Annual Research Report
HIF-1拮抗分子IPASの発現制御機構の解明と抗血管新生療法開発への応用
Project/Area Number |
17016023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 雄一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90345033)
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Keywords | 低酸素 / 血管新生 / HIF-1 / IPAS / SiRNA / mRNAスプライシング |
Research Abstract |
腫瘍血管新生の抑制はがん治療戦略のなかでも重要な位置を占める。低酸素で活性化される転写因子HIF-1は血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子の発現の誘導などを介して腫瘍の血管新生、増殖・進展などにも密接に関わり、がん治療における新たな分子標的として注目されつつある。申請者は、独自に発見した内因性HIF-1機能抑制分子IPASを用いて、HIF-1活性を制御する方法の確立を目指している。IPASは角膜上皮などにおいてVEGF発現ならびに血管新生を恒常的に抑制する。IPASの発現が低酸素によりpre mRNAスプライシングのレベルで誘導されることも見いだしている、本研究は、HIF-1-IPASシステムを中心とした血管新生制御の分子様態を解明するとともに、新規抗血管新生療法開発の基盤を確立することを目的として、(1)RNAスプライシング機構を標的としたIPAS発現制御法/抗HIF-1療法の確立、(2)遺伝子改変動物を用いたIPAS遺伝子高発現、異所性発現モデルの抗血管新生/抗腫瘍療法における有用性の検定、をめざす。 本年度は以下の研究成果を得た。 (1)IPAS発現制御法/抗HIF-1療法の確立 IPAS発現制御機構に関して1)IPAS遺伝子転写調節機構、2)IPASmRNA選択的スプライシング制御機構、の解析を進めた。1)IPASプロモーター活性が低酸素により増強されることを示した。さらに、低酸素応答性配列を同定し、同配列にHIF-1が結合することを明らかにした。2)選択的スプライシング制御に関わるIPAS mRNA結合蛋白を同定した。かかる蛋白の発現抑制系を確立した。 (2)遺伝子改変動物を用いたIPASの抗血管新生療法における有用性の検討。 IPASを過剰発現するトランスジェニックマススを作成しHIF-1標的遺伝子の発現が抑制されていることを確認した。
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Research Products
(2 results)