2006 Fiscal Year Annual Research Report
がん増殖・転移におけるバイオイメージングとターゲティング型DDS開発
Project/Area Number |
17016035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋田 充 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20135594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30243041)
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40273437)
川上 茂 京都大学, 薬学研究科, 助手 (20322307)
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Keywords | 癌 / イメージング / 活性酸素消去酵素 / DDS / カタラーゼ / NFκB |
Research Abstract |
癌転移の過程において局所での活性酸素の発生および引き続きおこるNFκBの活性化により接着分子の過剰発現が誘発されることが大きな原因であることが知られている。しかしながらin vivoにおけるこれらの分子発現の寄与に関しては評価法がなく困難である。本年度はin vivoにおける癌転移の分子メカニズムの解明を目的に、イメージングによるNFκB活性化評価法の確立をおこなった。LPS投与によりNFκB活性化モデルマウスを作成し、プロモーター部位にNFkB結合配列を有するルシフェラーゼ発現プラスミドDNA(pNFκB-luc)をハイドロダイナミクス法により肝臓で強制発現させた後、インビボイメージング装置により評価をおこなったところ肝臓で高い発現が認められNFκBが活性化されていることが確認された。さらに、マンノース修飾またはサクシニル修飾した肝非実質細胞ターゲティング型活性酸素消去酵素カタラーゼの投与により、pNFκB-lucによる発現が低下し肝臓内のNFκB活性が抑制されていることが示唆された。以上より本システムによりin vivoでNFκB活性を評価できることが確認されin vivoでの癌転移の分子メカニズム解明および新規転移抑制剤の開発するために必要な情報を得ることができると考えられる。さらに、本年度は、腹腔内でのがん転移抑制を目的にカタラーゼにカチオンを付加したEDカタラーゼを作成した。腹腔内へ投与後、未修飾のカタラーゼと比較し腹腔内への滞留時間は6倍に延長された。さらにこれまでに樹立したルシフェラーゼ発現癌細胞株をもちいて腹腔内への転移を観察したところ、未修飾カタラーゼと比較し有意な転移抑制効果が確認された。さらにEDカタラーゼにより未修飾カタラーゼと比較し有意な生存期間延長が認められた。
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Research Products
(6 results)