2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木梨 友子 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80252534)
鈴木 実 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00319724)
切畑 光統 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60128767)
宮武 伸一 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90209916)
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Keywords | BNCT / 悪性髄膜腫 / 再発頭頸部癌 / 悪性中皮腫 / 経動脈投与 / BPA / BSH |
Research Abstract |
1)悪性性脳腫瘍のBNCTでは、悪性髄膜腫に対する試みにおいて新たな進展があった。本来、髄膜腫細胞は著しく放射線抵抗性であるが、BNCTによって顕著な縮小と線量が十分ならば病巣を制御できることが明らかになった。病巣の多くの部分が外頸動脈によって支配されていることから、BBBの影響を受けないので、頭頸部癌と同様に500mg/kgのBPAを3時間にて注入しつつ中性子照射を行う手法を採用して効果を上げている。BSHの使用は将来、不要になり、また、効果を腫瘍病巣に限定するために外頸動脈投与も選択肢になる可能性が在る。2)治療後再発頭頸部癌では、BPAの経動脈投与による効果の選択性の向上を、これまでの症例をレビューし、従来の経静脈投与法と比較検討した。この結果、GTVの平均線量で3倍近い線量が投与可能になることが分かった。ただ、BPAは本来、口腔粘膜に対するCBE値が大きいので、これを緩和する意味でもCBE値の小さいBSHの併用が良いと考察された。現在、BSH5g投与中の血中硼素濃度の変化を調べており、頭頸部癌の如きBBBの無い腫瘍では、投与時間をやや延長し、投与中の棚素濃度の高い時期に中性子を照射する可能性も検討している。3)アスベストによる胸膜中皮腫は治療の困難な腫瘍であるが、F-BPA PETでは>3.0の集積比が得られ、試験的にBNCTを施行したが、効果を検証する実験を、肺に対する効果と比較しながら行った。中皮腫細胞の代用としてSCCVII(マウス扁平上皮癌)を胸腔内に移植し、癌細胞の播種、一部は微小腫瘤の状態を作り、棚素化合物BPAを経静脈投与、中性子を照射して生存期間の変化によって効果を調べると、BPA投与・中性子照射群でのみ有為な生存期間の延長が認められた。現在、肺組織に対する影響の病理学的検索などを進めているところである。
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Research Products
(6 results)