2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016049
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
日野田 裕治 山口大学, 医学部, 教授 (10165128)
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Keywords | 樹状細胞療法 / RHAMM / モノクローナル抗体 / 抗体療法 |
Research Abstract |
1.樹状細胞療法 平成17年度は前臨床研究(動物実験)によるin vivo抗腫瘍効果を2つのモデルで解析した。1)前年度からの継続でマウスリンパ腫細胞株EL4の皮下腫瘍に対するreceptor for hyaluronan-mediated motility (RHAMM) mRNA導入樹状細胞療法の効果を検討し、明らかな抗腫瘍効果に加えて、その作用機序としてCD4+T細胞の関与を明らかにした。2)マウス脳腫瘍細胞株KR158Bを脳内接種して作成した脳腫瘍モデルに対する効果も検討した。RHAMM mRNA導入樹状細胞を用いた治療群で有意な生存期間の延長を認めた。また、脳腫瘍組織内に、T細胞を中心とした明らかなリンパ球浸潤を認めた。 これらの基盤的研究成果に基いてGMP準拠の樹状細胞療法の臨床研究を開始すべく準備を進めている。平成17年5月よりcell processing center(本研究代表者がセンター長を兼務)が稼動しておりすでに難治性肝硬変症に対する肝細胞再生プロジェクトを開始しこれまで2例の骨髄細胞処理を実施した。最初の樹状細胞療法は合成ペプチドを抗原として実施すべく、CPC外でのシュミレーション実験(閉鎖系の培養法で良質な(複数マーカーとバイアビリティで確認)樹状細胞を効率よく得る条件と手順の確立)とGMP手順書の作成を進めている。 2.モノクローナル抗体療法 平成17年度からcancer stem cell(癌幹細胞)に発現する細胞表面抗原候補分子に対するモノクローナル抗体の作成を開始している。Cancer stem cellは癌組織を形成する癌細胞のごく一部を占めるにすぎないが、これの増殖を抑制できればほぼ全ての癌細胞が消失することが期待され、現在最も有効な治療標的の1つと考えられる。これまでに3遺伝子をcDNAクローニングしてトランスフェクタントを作成した。現在このうちの1つの分子に対するモノクローナル抗体を確立してin vivoでの抗腫瘍効果を検討すべく研究を進めている。
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Research Products
(4 results)