2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016049
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
日野田 裕治 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10165128)
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Keywords | 細胞表面抗原分子 / 抗体療法 / 樹状細胞療法 / siRNA / 免疫学的モニタリング |
Research Abstract |
癌細胞表面に存在する分子群は、cytotoxic T細胞に加えて、抗体の標的となり得ることから、免疫療法の標的分子として、細胞内分子よりも広範な応用が可能であると考えられる。我々は癌細胞の増殖に必須の細胞表面抗原分子を標的とした抗体療法及び樹状細胞療法に関して検討した。 1.抗体療法:大腸癌ではWntシグナルcanonical経路の活性化が知られている。受容体として関与するFrizzled(Fzd)遺伝子ファミリーが治療標的となるかを検討するために、6種類の大腸癌細胞株でのFzd-1〜10遺伝子の発現をRT-PCR法により検討した。その結果、Fzd-6とFzd-7は大腸癌細胞株全てにおいて発現していた。前者はnoncanonical経路に関るため、Fzd-7について更に検討した。大腸癌細胞株にFzd-7を導入してTopflashアッセイを行うと、全ての細胞株でTcf活性の増加を認めた。さらにFzd-7 siRNAを導入すると、5種類の細胞株で明らかなTcf活性の抑制を認めた。このsiRNAは大腸癌細胞株に対して増殖抑制作用も示した。現在、抗体を利用したsiRNAの大腸癌細胞へのdeliveryについて検討を進めている。 2.樹状細胞療法:1)前年度に引き続いて、樹状細胞療法の基礎的検討を進めると同時に、樹状細胞療法の臨床研究を並行して実施した。GMP準拠樹状細胞療法を目指して、患者からの末梢血単検細胞の採取および樹状細胞のex vivo誘導について専任技師のトレーニングを実施すると同時に手順書の作成を行った。また、より確実かつ簡便な免疫学的モニタリングのために、結核菌mRNAの応用について検討した。末梢血単核細胞に結核菌mRNAを導入して抗原刺激とするインターフェロン産生CD4+、CD8+T細胞のフローサイトメトリーによる検出法を確立した。
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Research Products
(4 results)