2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016049
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
日野田 裕治 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (10165128)
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Keywords | rizzled-7 / 大腸癌細胞 / siRNA / 樹状細胞療法 / 免疫学的モニタリング / 結核菌抗原 / Interferon-γ |
Research Abstract |
細胞表面受容体分子であるFrizzled-7の標的治療法とmRNAを抗原とした樹状細胞療法について検討を行い次の結果を得た。1) FZD7標的治療法:6種類の大腸癌細胞株においてFZD7 siRNAにより内因性のFZD7を抑制すると、Tcf活性は低下し、Tcf標的遺伝子の発現レベルも低下した。これらの大腸癌細胞株はすべてAPCまたはCTNNB1の変異を有していたことから、Wntシグナル経路の活性化はこれらの遺伝子変異だけによるものではなく、上流のシグナルも活性化に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。FZD7に対するsiRNAを大腸癌細胞株HCT116に導入すると、著明な細胞増殖の抑制と浸潤能の抑制が認められた。これらの結果は、本siRNAの治療薬としての可能性を示唆する。FZD7は正常の幹細胞における発現も示唆されているため、腫瘍局所への投与法について現在検討を進めている。2)mRNAを抗原とした樹状細胞療法:末梢血単核細胞(PBMNC)を利用した簡便なモニタリング法について検討した。PBMNCに結核菌抗原85AのmRNAを導入して刺激細胞とし、自己PBMNCと1晩培養した後、フローサイトメトリーで抗原特異的interferon-γ (IFN-γ)産生CD4+又はCD8+T細胞を検出することが可能となった。10名の健康人ボランティアを対象とした検討では、5名にIFN-Y産生CD4+又はCD8+T細胞が検出された。同時にツベルクリン皮内テストとHLA-A/Bタイピングを行ったが、陽性例はすべて皮内テスト陽性者であった。特定のHLA-A/Bタイプとの関連は認めなかった。以上より、本法は樹状細胞療法のモ二タリングに応用可能と考えられた。
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Research Products
(4 results)