2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016056
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
河野 通明 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00027335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 恵一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50252466)
谷村 進 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90343342)
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Keywords | 細胞がん化 / がん化学療法 / ERK-MAPキナーゼ路 / MEK阻害剤 / 微小管重合阻害剤 / HDAC阻害剤 / 併用療法 / 活性酸素種 |
Research Abstract |
培養細胞系での解析より見出したERK-MAPキナーゼ経路遮断剤(MEK阻害剤)と微小管重合阻害剤/HDAC阻害剤の併用による抗腫瘍効果増強に関しては、HT-29(Raf変異)、HT1080(Ras変異)細胞株を利用したXenograft系で解析を進めた。その結果、微小管重合阻害剤(低濃度のTZT-1027等)との併用で、顕著な増殖抑制増強、さらにHT1080細胞では1週間毎、2度の薬剤処理で腫瘍塊の消失を認めた。また、HDAC阻害剤との併用においても、ヒドロキサム酸誘導体(MS-275)を利用した解析より、ほぼ完全な増殖停止の誘導を確認した。一方、上記各薬剤併用実験条件下において, 体重減少等の副作用は認められなかった。すなわち、MEK阻害剤と微小管重合阻害剤、あるいはHDAC阻害剤との併用は、副作用を軽減した、真に有効ながん化学療法に繋がる可能性を、動物個体レベルで確認した。 MEK阻害剤と微小管重合阻害剤の併用による抗腫瘍効果増強の分子機構に関しては、紡錘体チェックポイントで機能するMps-1に焦点を当てて解析を進め、(i)ERK-MAPキナーゼ経路の遮断がB-Rafの活性化を誘導し(Negative feedbackの解除)、これがMps-1の活性化に関与すること、(ii)Mps-1の活性化がMad-2、BubR1などのAPCへの結合を介して紡錘体チェックポイント機構の活性化に連動し、これががん細胞の微小管重合阻害剤に対する感受性増強に繋がることを見出した。 MEK阻害剤とHDAC阻害剤の併用による細胞死誘導増強の分子機構に関しては、両薬剤処理によって(i)E2F-1を介したBH3 only protein(Bim, Bik等)の発現亢進、Bimの安定化、Bikの切断(活性化)を経て、ミトコンドリア膜の透過性上昇、活性酸素種(ROS)放出促進、(ii)ROSの消去系で機能するGlutathione peroxidase(GPx)の発現抑制、が誘導され、これらが相乗的に作用して顕著なROSの蓄積に繋がり、これが細胞死誘導のmediatorとして機能することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)