2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016058
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
秋山 伸一 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60117413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 龍彦 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (40219100)
山本 雅達 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40404537)
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Keywords | Thymidine phosphorylase / MMP-9 / 2-deoxy-L-ribose / PI3K / Akt / Apoptosis / p38 / Arsenite / survivin |
Research Abstract |
1.TPが浸潤転移に関与していることを示唆する結果を得たので、浸潤に関与するMMP、TPを発現していないKB/CV細胞、TPを発現しているKB/TP細胞を腹腔内に移植し、腹腔内臓器への浸潤、転移を調べたところ、KB/TP細胞の方がKB/CV細胞より、浸潤能が高いことが判明した。2-deoxy-L-riboseはKB/TP細胞の浸潤能を抑制すること、KB/TP細胞からのMMP-9の放出を阻止すること、KB/TP細胞を移植したヌードマウスの生存期間を延長することを見出した。 2.DNAを損傷する薬剤がTPの発現を誘導した。TPを強制発現させた細胞は、DNAを損傷する薬剤に耐性になり、Akt活性が高くなっていった。このTPの作用はTPの酵素活性を必要としなかった。TP発現細胞のアポトーシス耐性はPI3K阻害剤により部分的に克服された。このことはTPによる細胞の防御作用は、少なくとも一部はPI3K/AKT経路を介していることが示唆された。 3.低酸素で誘導されるアポトーシスをTP機能のdownstream mediatorである2-deoxy-D-riboseが抑制することを示したが、ヒト白血病HL-60細胞を用いてそのメカニズムについて解析を行った。2-deoxy+riboseは、低酸素で誘導されるp38のリン酸化を抑制した。このことは、2-deoxy-D-riboseにより賦与される低酸素下でのアポトーシスに対する耐性の一部は、p38を介した情報伝達の阻止にあることを示唆している。 4.浸潤、転移との関連が考えられるアポトーシス阻害因子survivinが、ATL細胞で高発現していた。ヒ素は、ATL細胞でのsurvivinの発現を抑制することによりATL細胞にアポトーシスを誘導することを示した。ヒ素によるsurvivin発現抑制の機構としては、IκB-αの分解を阻止し、NF-κBの核への移行を妨げることによりsurvivinの転写を抑制することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)