2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016058
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
秋山 伸一 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60117413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 龍彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (40219100)
山本 雅達 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40404537)
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Keywords | TSP-1 / 5-Fu / マイクロDNA / 2-deoxy-D-ribose / TP / BNIP3 / IL-8 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
1.ヒト大腸癌KM12C細胞を5-FUで処理すると、その濃度や作用時間に依存して血管新生阻害因子TSP-1の発現が亢進した。5-FU処理により、p38のリン酸化が誘導され、転写因子EGR-1の発現が増加してTSP-1プロモーターのEGR-1結合部位に結合することにより、TSP-1の発現を上昇させていることがわかった。一方、5-FUはc-Mycの発現を抑制することによりマイクロRNA、miR17-92のレベルを低下させる。miR17-92はTSP-1mRNAの安定性を低下させることが知られており、miR17-92の低下によりTSP-1mRNAの安定性が増してTSP-1発現が亢進することが示唆された。5-FUにより癌細胞で誘導されるTSP-1が、抗腫瘍効果にどの程度関与しているかを検討している。 2.2-deoxy-D-riboseの誘導体10種類を合成してHUVEC細胞の管腔形成を阻害するか調べた。このうち3種類(6b, 8a, 8b)に管腔形成の抑制効果がみられた。また2-deoxy-D-riboseによる管腔形成誘導を、これらの誘導体が抑制するかを調べたが、6a、 8bにその傾向があった。現在動物実験を行い血管新生阻害剤としての有効性を評価している。 3.チミジンホスホリラーゼ(TP)と相互作用する蛋白質を探索する目的で、酵母Two-Hybrid法を用いた。まず、TP/pGBKT7(酵母Two-Hybrid: baitベクター)を構築した。MATCHMAKER GAL4 Two-Hybridシステム3(CLONETECH)を用いて、TPと相互作用する分子の検索を行なった。その結果TPと結合する15種類の蛋白質の遺伝子を同定した。これらの遺伝子がTPによる抗癌剤耐性に関与しているのかを調べている。 4.腫瘍内線維芽細胞は腫瘍内微小環境を変化させ、血管新生や癌細胞の増殖と浸潤を促進することが知られている。培養線維芽細胞(WI-38)をNormoxiaまたはhypoxia条件下で培養した時、またTPの機能のdownstream mediatorである2-deoxy-D-riboseをそれらの条件下のWI-38細胞に作用させた時の遺伝子発現変化をジーンチップにより網羅的に解析した。血管新生、転移、アポトーシスに関与する遺伝子であるXDH、 PGIS, VEGF、 CYR61、 IGFBP3、 BNIP3の発現の亢進を見出した。 5.TP発現細胞では、IL-8の発現が増加し、血管新生に関与していることが考えられている。TPによるIL-8発現亢進のメカニズムを解析し、ROSの上昇とNF-kBの活性化が重要であることを明らかにした。
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Research Products
(18 results)