2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016058
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
秋山 伸一 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60117413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 龍彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (40219100)
山本 雅達 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40404537)
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Keywords | TP / IL-8 / NF-κB / ROS / IKKα / β / IkB / HIF-1 / BNIP3 |
Research Abstract |
1、TPによるIL-8発現亢進の機構をさらに詳しく調べた。まず、KB/CV細胞とKB/TP細胞におけるIL-8プロモーターの活性を調べた。KB/TP細胞ではKB/CV細胞に比較してIL-8プロモーター活性が亢進していた。次にTPによるIL-8の発現亢進に必須な転写因子を探索するため、IL-8プロモーター上に存在するAP-1、NF-κBおよびNF-IL6の結合領域に変異を加え、検討を行なった。TPによるIL-8プロモーターの活性はNF-κB結合領域に変異を加えることで有意に減少した。さらにNF-κB選択的な阻害剤であるBAY11-7082はKB/TP細胞におけるIL-8のプロモーター活性とmRNAの発現を抑制した。このことから、TPはNF-κBを介してIL-8mRNAの発現を亢進することが明らかとなった。一方、TPはROSを誘導する。NACはIL-8mRNAの発現を濃度依存的に抑制し、KB/TP細胞におけるNF-κBの核移行も抑制した。TPはROSの上昇を介してNF-κBを活性化し、IL-8の発現を亢進することが考えられた。KB細胞に一過性にTPcDNAをトランスフェクトすると、導入するTPcDNA量の増加に伴いIL-8の発現量が増加した。また、TPの発現が増加すると、IKKα/βのリン酸化が亢進し、IkBαのレベルが減少し、p65のリン酸化と核への移行が増大した。これらの結果から、TPがIL-8の発現を亢進する分子機構がほぼ解明された。2、TPは、低酸素で誘導されるアポトーシスに対して細胞を耐性にすることができる。TPとTP機能のdownstream mediatorである2-deoxy-D-riboseは、Jurkat細胞におけるHIF-1αの発現レベルを低下させ、アポトーシス誘導能のあるBNIP3の発現を抑制した。また、それに伴いカスパーゼ3の活性化も抑制された。BNIP3に対するsiRNAを用いてBNIP3をノックダウンすると、低酸素によるJurkat細胞のアポトーシスが著明に抑制された。これらの知見より、TPがチミジンを分解して産生する2-deoxy-D-riboseは、低酸素下でHIF-1αの発現レベルを抑制し、HIF-1αの標的遺伝子の一つであるBNIP3の発現を低下させることにより低酸素による細胞のアポトーシスを抑えていることを明らかにした。
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Research Products
(23 results)