2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016060
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
今井 浩三 Sapporo Medical University, 学長 (60117603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 禎夫 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20305220)
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Keywords | ヒト抗体 / 免疫療法 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
我々は現在2種類の抗原に対してモノクローナル抗体(MoAb)を作製し、抗腫瘍効果を検討中した。第1のMoAbは、FGFR1に対する抗体である。このFGFR1は非がん肝細胞にはほとんど発現されていないこと、また、FGFR1を介した刺激は細胞増殖および細胞浸潤、さらに血管新生に関与していることも報告されている。我々はFGFR1は肝がんの分子標的として最適と考え、IFNα/βの投与により、ヒト肝がん細胞において発現が増強されるチロシンキナーゼ受容体であるFGFR1に対するモノクローナル抗体を作製した。さらに、IFNα/βと作製した抗FGFR1モノクローナル抗体を併用することにより、in vitroおよびin vivoのいずれにおいても著明な抗がん効果を認めた。今年度はFGFR1に対するヒト・マウスキメラ抗体の作成に成功した。現在この抗体のヒト化を行っている。さらに抗FGFR1抗体の抗腫瘍効果の作用機序に関して、DNAアレイを用いて検討を行った。その結果、FGFR1に対するリガンドやリガンドの運搬に関する遺伝子が抑制されることを見出した。第2の抗体はA抗原(特許申請前でありA抗原とさせていただく)に対する抗体である。作製した抗A・抗CD3 bispecific diabodyはヒト末梢血単核球を用いた系では、十分な抗がん効果は得られなかった。そこで、さらに抗がん効果を高めることを目的に、抗A・抗CD3 bispecific diabodyをさらにFc部分を有するTrifunctional抗体に変化させる分子改変を行った。初期の発現ベクターではTrifunctional抗体産生効率が悪く、ベクターを改変する事で十分量のTrifunctional抗体産生が可能となった。このTrifunctional抗体は、ヒト末梢血単核球を用いた系で、十分な抗がん効果を認めた。
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Research Products
(14 results)