2009 Fiscal Year Annual Research Report
IAPと軟部腫瘍染色体転座産物を標的とした癌ワクチン開発
Project/Area Number |
17016061
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 昇志 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (50158937)
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Keywords | CTL / 癌ワクチン / ペプチド / HLA / HSP / 癌幹細胞抗原 / HDAC / テトラマー |
Research Abstract |
本年度は以下の研究成果を得た。 1) IAP (inhibitor of apoptosis protein)のいくつかが腫瘍抗原としてすぐれていることを示してきたが、このうちサバイビン2Bは膵癌で臨床効果をみせる場合のあることが認められた。しかもFACSによりCTL(細胞障害性Tリンパ球)のシングルセルソーティングにより、HLA-A24拘束性サバイビン2B抗原ペプチド特異的なCTLが確実に増加し、臨床効果との相関性も示唆された。もうひとつのIAP腫瘍抗原リビンの臨床試験も開始した。 2) 骨軟部腫瘍からヒト癌幹細胞(CSC)、癌起始細胞(GIC)の分離を解析した。その結果SP(sidepopulation)法により、ヒト骨肉腫よりCSC/CIC分離に成功した。次にヒト上皮腫瘍のCSC/CICを培養細胞株を用いて分離することにも成功した。それらに特異的に発現する抗原を種々の方法で解析した。 3) すなわちそれらは (1)-Or7c1 (olfactory receptor family 7 subfamily Cmember 1) (2)-PCDH19 (protocadherin) (3)-Sox-2 (sex determining region Y-box2) (4)-SMCP (Sperm mitochondria-associated cystein-rich protein) (5)-DNAJB8 (DnaJ (Hsp40) homolog, subfamily B, member 8) である。各々の免疫学的特性につき解析中であるが、(1)(2)は細胞面にも発現し抗体の標的にもなり得る分子である。興味あることに(1)(4)(5)は正常組織ではtestisにのみ発現を示すCace-Testis (CT)抗原の特徴をもつ。特に(5)DNAJB8は免疫原性が高くin vivoで腫瘍の拒絶を強く誘導することを確認した。
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