2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016068
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
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Keywords | TEL / アイソフォーム / ドミナント・ネガティブ / ETS / p53 / アポトーシス / 骨髄異形成症候群 / 白血病 |
Research Abstract |
TEL遺伝子はヒト染色体12p13上に存在し、白血病・骨髄異形成症候群(MDS)において染色体転座に伴い高頻度に再構成が観察される。TEL蛋白は転写抑制因子であり、がん抑制因子として機能する。TELにはalternative splicingによる多数のアイソフォームが存在する。これらの中で、HLHドメインを欠いたΔHLHアイソフォームとETSドメインを欠いたΔETSアイソフォームは、野生型TELに対してドミナント・ネガティブに作用することが報告されている。まず、正常人(14例)、MDS患者(不応性貧血(RA)、6例;芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、2例;慢性骨髄単球性白血病(CMMoL)、2例;合計10例)、MDSから白血病に移行した患者(MDS/白血病)(7例)の骨髄細胞からmRNAを抽出し、RT-PCR法を用いてスプライシングの変化を検討した。正常人あるいは病初期のMDS症例ではΔETS型アイソフォームの発現はほぼ5割に観察されたのに対して、MDS/白血病症例では全例で発現が観察された。従って、ΔETS型アイソフォームの発現亢進による野生型TELの機能的失活がMDSの病期進展に関与している可能性が示唆された。さらに、骨髄球系細胞32Dに野生型TEL遺伝子を導入し、その分子生物学的・細胞生物学的機能を解析した。野生型TELはIL-3存在下では増殖抑制に作用し、G-CSF存在下ではアポトーシスを誘導した。この作用の一部はTELがp53の蛋白レベルを上昇させることによるものであることが明らかになった。TELアイソフォームの発現パターンの変化によるp53の機能的失活がMDSの白血化に関与している可能性があると考えられた。
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Research Products
(6 results)