2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016071
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
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Keywords | NK細胞 / NKT細胞 / 樹状細胞 / α-GalCer / CD94 / NKG2A / ICOS / TRAIL / TWEAK |
Research Abstract |
(1)一般のT細胞は活性化の後にICOSを発現するのに対し、NKT細胞は恒常的にICOSを発現しており、抗原提示細胞上のリガンドであるB7RP-1がNKT細胞の活性化に大きく関わることを示した。 (2)マウス肝臓内のNK細胞において、Ly49やCD94/NKG2Aといった抑制性受容体を発現していない未熟NK細胞がTRAILを発現し、TRAIL依存性の抗腫瘍活性を有することを示した。 (3)マウスB16メラノーマの肺転移抑制系で、NKT細胞のIFN-γ産生を惹起しないα-GalCer誘導体であるOCHは、それ自身は抗転移効果を示さないが、OCHの前投与によってα-GalCerの抗転移効果が著しく高まることを見出した。これに対して、α-GalCerの前投与は、IFN-γ依存性に抗原提示細胞上のQa-1bの発現を高め、NKT細胞上の抑制性受容体であるCD94/NKG2Aを介してα-GalCerによる再刺激を抑制するnegative feedback regulationが起こることを明らかにし、CD94/NKG2Aに対する阻害抗体の投与によりα-GalCerの抗転移効果を増強することが可能であることを示した。 (4)IFN-γによってマクロファージに発現するTWEAKがin vivoで抗腫瘍活性に関わることを示した。 (5)α-GalCerをパルスした樹状細胞によるNKT細胞の活性化とIL-21遺伝子投与によるNK細胞の活性化を組み合わせることにより、相乗的な抗腫瘍効果が得られることを示した。 (6)NKG2D等のNK活性化受容体を介して種々の腫瘍細胞を認識してIFN-γを産生、及び、TRAIL依存性の細胞障害活性を有する新たな樹状細胞亜群を見出した。 (7)アロ抗原特異的CD8 T細胞のin vivo活性化の系、あるいは、CD40やTLRを介して活性化した樹状細胞ワクチンの系で、CD4T細胞非依存性のCD8 CTLの誘導にCD70を介した副刺激が重要であることを示した。 (8)アロ抗原特異的なT細胞活性化の系で、PD-1はCTLA-4と独立して抑制に働くことを示した。また、ヒト食道癌患者において、腫瘍内のPD-1リガンドの発現は予後と逆相関することを示した。
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