2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016071
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
|
Keywords | NK細胞 / CTL / 樹状細胞 / TRAIL / DR5 / CD137 / CD70 / PD-1 |
Research Abstract |
1、昨年度までの本研究においては、新たに作製したマウスTRAIL受容体(DR5)に対するアゴニスト抗体(MD5-1)が、毒性を示すことなく、TRAIL感受性腫瘍の転移を抑制し、また、一過性に皮下腫瘍の退縮を引き起こすのみならず、Fc部位を介した宿主抗原提示細胞の動員により二次的に腫瘍特異的なCTLを誘導して、TRAIL抵抗性変異体をも排除しうることを見出した。本年度においては、宿主の抗原提示細胞を活性化する抗CD40抗体(FGK45)及びCD8陽性CTLの活性化を増強する抗CD137抗体(3H3)と抗DR5抗体の三者を併用することにより相乗的な抗腫瘍効果が得られ、各抗体単独では不可能であった巨大な皮下腫瘍塊の完全退縮が可能であることが明らかとなった。また、乳がん細胞株(4T1)の同所移植後の多臓器自然転移モデルにおいても三者併用によって完全寛解が認められた。さらに、methylcholanthreneで誘発した原発腫瘍に対してもCTLの誘導と完全退縮が可能であることが明らかとなった。 2、抗DR5抗体の投与とIL-21発現ベクターの投与を組み合わせることにより、腫瘍特異的なCTL誘導が増強され、相乗的な抗腫瘍効果が得られることを示した。 3、NKG2D等のNK活性化受容体を介して種々の腫瘍細胞を認識してIFN-7を産生、及び、TRAIL依存性の細胞障害活性を有する新たな樹状細胞亜群(IKDC)を見出した。 4、同種角膜移植あるいは臓器特異的自己免疫疾患モデルにおいて、PD-1がCD8 T細胞の寛容に働くことが明らかとなり、同様の機序が抗腫瘍免疫の抑制にも働くことが示唆された。 5、活性化樹状細胞によるCD8陽性CTLの誘導において、CD27のリガンドであるCD70が重要な役割を果たすことが明らかとなり、CD27に対する活性化抗体の作製を進めている。
|